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きんのまなざし ぎんのささやき

面影を追ってみたら(3)

さぁ、いよいよ直接対決!

Are you ready?
Fight!




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カオルから目撃したと告白されて、鋼牙は昼間の記憶をたどった。

「あぁ… そういえば…」

そう言って悪びれもせず肯定する鋼牙に、カオルは少し強い調子で
言った。

「若い女の子がベンチで話しているのを、鋼牙、見てたでしょ?」

「カオル…
 見てたのか?」

このときになって鋼牙が初めて少し動揺した。
そのことに気をよくしたカオルが、追い打ちをかける。

「鋼牙ったら、すっごく優しい顔して見てたわ。
 あたし、見たんだから!」

そう言うと、カオルの心拍数はぐんぐん上がった。
きっと顔も赤くなっているはずだ。
その子たちに嫉妬していることは、鋼牙に一目瞭然だろうと思うと、
急に恥ずかしくなって、カオルは鋼牙から視線を外した。


「ひょっとして… 鋼牙はああいう人がタイプなの?」

そうつぶやいたカオルの声には、不安が見え隠れしていた。

目まぐるしくコロコロと態度を変えるカオルを、鋼牙は驚きながら
見ていたが、やがてフッと微笑んだ。

「なにを馬鹿なことを…」

「馬鹿じゃないもん!
 ほんとのことでしょ?

 だって… その人、綺麗な人だったもの…」

カオルは、愛しげに女性を見つめていた鋼牙のことを思い出しながら
言った。
カオルの顔が泣きそうにクシャリと歪む。
そんなカオルを愛しそうに見ていた鋼牙が、ポロリと真実をこぼした。

「俺が見ていたのは、カオルに似ているなと思って、それで…」

そこまで言って、鋼牙は慌てて口を閉ざした。
驚いたカオルは、

「うそ!
 だって、あの子、あたしに全然似てなかったよ?」

と強く否定した。
すると、それまで余裕のある態度でいた鋼牙が、一転してふてくされた
ように、

「…俺には、似ているように見えたんだ」

とボソリと言った。

「友達といるときは、
カオルもあんなふうに笑うのかと思って…」

まだ半信半疑の
カオルは、鋼牙のことをじっと見た。

そのとき、それまでふたりの会話を静かに聞いていたザルバが、
堪え切れなくなった様子で笑い出した。

『クックック…』

おかしくておかしてく堪らないといった様子だ。

「なぁに、ザルバ。
 どうかした?」

カオルが挑むような調子で、ザルバに尋ねる。

『どうしたもこうしたも… クックック。

 カオルは知らないだろうが、近頃の鋼牙ときたら、若い女を見ると
 誰彼構わずカオルの姿を重ねて見ているぞ。

 どうやら、そのくらいお前さんが恋しいとみえる…』

「!」

それを聞いた鋼牙が、慌ててザルバを自分の顔の位置にまで持ち上げて
文句を言おうとしたが、それよりも早くカオルが席を立ち、鋼牙の
そばまで来ると、その左手を捕えて自分の顔に近づけた。

「それは本当なの?」

『あぁ、本当だとも!

 最近、鋼牙はいつにも増して仕事に精を出してたからな。
 そいつはそいつで結構なことだが、そのせいで、お前さんとは
 ゆっくり話もできなかった。

 だから、その反動なんだろうな。
 髪が長いとか、目が大きいとか、そんなちょっとした共通点でもあれば、
 お前さんの面影を探しちまうんだろうぜ。

 な、そうだろ? 鋼牙?』

ザルバが鋼牙に話を振ったので、カオルも思わず鋼牙の顔を見た。

「フンッ」

鋼牙は鼻を鳴らしただけだったが、それ以上肯定も否定もしなかった。
カオルは、まだ鋼牙の左手を握っていたことを思い出し、慌てて
パッと手を離した。

「ごめんなさい。
 あたし、なんか凄い勘違いしてたみたいで…

 あの… その… ほんと、ごめんなさい」

真っ赤になって小さく縮こまるカオルに、鋼牙も席を立ち、静かに
歩み寄る。

「そんなに謝る必要はない」

「でも…」

そう言ったきり、ふたりは見つめ合った。
なんともいいムードが漂う。


ところが、そのいいムードの中に、毎度のことながらザルバが割り
込んでくる。

『鋼牙、今夜はどうやら指令もないようだ。
 面影なんか追わずに、ホンモノとゆっくり過ごせばいいじゃないか?』

明らかにおちょくっている様子のザルバを鋼牙は睨んだ。
だが、すぐに、余裕のある表情で、

「あぁ、そうだな。
 お前もそう思うんだったら、少し静かにしていたらどうなんだ?」

と言った。

『おぉ、おぉ、言ってくれるじゃないか、鋼牙。
 イチャイチャするなら、俺のいないところでやってくれよ?』

そう言うと、ザルバはカチカチと音を立てて笑った。
それにつられてカオルも笑い出し、鋼牙のほうにそっと身体を摺り寄せた。



fin
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カオルの面影を追ってみたら、それを当のカオルに見られて怒られた!
…っていう、しょうもないオチでした。

いやぁ~
公式様では、夫婦喧嘩(いや、まだ夫婦じゃないんですけど)なんて
あり得ないのかもしれませんね。
なので、勝手に妄想してみました!

こんなつまらんことで喧嘩なんかしないかなぁ…
いやいや、不安になったり疑ったりということは、相手が自分にとって
大事な人であればフツ~に起きますよね?


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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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