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きんのまなざし ぎんのささやき

最初の夜に乾杯!

BLACK BLOODからちょいと妄想…
(あ、初めてだ!)


…でも、オチはないです。
(予防線、予防線…)


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

  ドルルルルル…

目の前の信号が赤に変わったので、’彼’ は左足でギアをカン、カンと
落として、白い停止線の手前でバイクを止めた。

握っていたハンドルから両手をだらんと下に下ろす。
少し強張っていた肩の筋肉をほぐすように、軽く肩を上下させ、首を
左右に振りながら、ヘルメットの中の目はこの街の様子を眺めていた。

両側に迫るようにそびえる高層な建物に、色とりどりの広告看板が
ひしめいている。
ウヨウヨという表現がぴったりなくらいの大勢の人が、目の前の
交差点をそれぞれの目的地に向かって歩いている。



『かなり大きな街ね…』

垂らした左手の革のグローブから、カチカチという小さな金属音と
ともに ’彼女’ の声が聞こえた。

その声は、ザワザワとした雑踏の騒々しさの中であっても、彼には
ハッキリと聞こえる。
左手を持ち上げて、彼女の顔が見えるようにした。

きっと他人から見れば、腕時計でも見ているようにしかみえない
だろう。

まぁ、彼のことを気にするような人は、恐らくひとりもいない。
みんな、自分のことに忙しい…



「そうだな…」

そう言って、もう一度周囲をぐるりと見た彼は、再び彼女を見て
言った。

「今日からここが俺たちの街ってわけだ」

『そうね。
 人の数が多いだけに、陰我の数も多そうだわ』

彼女の声が少し曇った。
それを聞いた彼は、フフンと鼻を鳴らしてから、

「それじゃあ、さっそくお仕事、始めちゃいますか?」

と、おどけた様子で言う。
彼女は、驚いたように眉をあげて言った。

『ゼロ。
 今日くらいはゆっくりしたらどうなの?
 今来たばかりだっていうのに…』

異論を唱える彼女=魔導具のシルヴァに、彼=魔戒騎士の涼邑零は
言う。

「シルヴァ、魔戒騎士に休みなんてないよ。

 さあて…
 部屋に荷物を置いたら、さっそくオブジェの浄化に出掛けることに
 しようぜ。

 ついでに、雰囲気のいいカフェやおいしいケーキ屋さんが見つかると
 いいんだけどな」



零がそう言ったとき、信号が青に変わった。

「おっ…」

それに気づいた零は、ハンドルを握るとクラッチレバーを握り、左足の
つま先でシフトレバーをいれ、アクセルをゆっくりと開けた。


 バリリリバリリリリリ…

小気味いい音を響かせ、零のバイクは走り出した。





真夜中の公園。
空には、下弦の月がようやく顔を出したばかりだった。
零のいる、公園の奥まった場所にある雑木林の合い間には、弱々しい
月光はほとんど差し込むことはなかった。

「ふ~っ」

零の斬ったホラーが、最後の光を放って粉々に散っていった。
ゆらりゆらりと夜空に上っていく小さな光の最後のひとつが、音もなく
消えたのを見送ると、零は小さく息を吐いてから歩き出した。

『まったく!
 来たそうそう指令を出すなんて、番犬所のやつらは、なんて人使いが
 荒いのかしら!』

吐き捨てるように、シルヴァが悪態をつく。

「そんなに怒るなよ、シルヴァ。
 あいつらだって、新しく来た俺の腕前を確かめておきたかったんだろ?

 さぁ、さっさと報告を済ませて帰ろうぜ。
 さすがに今日は、俺も疲れたしさ…」

先程の闘いのときに見せたギラギラした表情は、今は見る影もなく、
すっかり脱力してスキだらけの顔になっている。

当代一の実力を持つ牙狼の鎧の継承者、冴島鋼牙と肩を並べる実力を
持つこの男は、近頃ずいぶん風格も出てきて、成熟した大人の魔戒騎士の
凄みを醸し出していたが、こうして、時に無防備で無邪気な表情を
見せる。



『ゼロ。
 番犬所への報告は私がやっとくわ』

シルヴァが溜め息交じりにそう言うと、

「やったね!
 サンキュ、シルヴァ♪」

と、零は極上のスマイルを見せた。


(やれやれ…
 こんなふうに零を甘やかしちゃう私も問題よね)

シルヴァはそう思いながら、それも仕方ない、と諦めにも似た気持ちに
自嘲するのだった。





シルヴァが 番犬所への報告を済ませ、零たちが程よい疲労感の中、
新しい住まいの近くまで戻って来たとき、その店の明かりに気付いたのは
シルヴァだった。

鈍く黄金色を放つレリーフが、温かみのある照明を受けているだけで、
何の変哲もない茶色いドア。

『ゼロ。
 ここ、何かのお店かしら?』

「なんだろうね。
 この時間までやっているってことは、バーか何かかな?

 昼間通ったときには気付かなかったな…」

零は足を止め、シルヴァと言葉を交わした。

『…』

シルヴァは無言ではあったが、何か気になることでもあるのだろう。
そんなシルヴァの微妙な心情を悟った零が、

「なに?
 ホラーの気配でもあるのか?」

と、少し眼光を鋭くして聞いた。

『いいえ、そういうわけではないわ。

 そうじゃないんだけど…』

即座に否定したものの、なんだか煮え切らない態度のシルヴァ。

「…」

零はしばらく考えていたが、

「ねぇ、シルヴァ。
 今夜はこの街に来て最初の夜だから、記念に一杯… いいかな?」

と言った。

『ゼロ…』

シルヴァは零の言葉を受けて考える。
そして、

『…いいんじゃないかしら?
 今日のあなた、とってもがんばったもの』

シルヴァは、母親のようなあったかい声で零に答えた。
シルヴァの優しい視線を受けて、零も自然と穏やかな顔になり、
しばらく無言で見つめ合った。

「よし! じゃ、決まりね。
 シルヴァ、この街でもよろしくな!」

『えぇ、もちろんよ。
 ゼロ…』

零はにっこり笑うと、その店のドアをゆっくりと開けた。




「いらっしゃいませ」

そう広くない店内に零が入ると、決して愛想がいいとは言えない
ハスキーなマスターの声がふたりを迎えた。


fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


いやぁ~
タカさんの ’わけありマスター’ なかなかよかったなぁと思いました。
(若干、滑舌が…
 何回も巻き戻しして聞き直しました。)

零くんが、あのマスターと知り合ったのは、いつ? どんな感じで?
みなさんはそう思いませんでした?

ほんとはもう少し妄想を続けたい気もするんですが…
まずは、彼と会うまでのところを。



ところで…
BLACK BLOODの設定には、ちょっとよくわからないところが
あります。

この話は時系列としては、鋼牙が約束の地で闘っている間の話かな
と思います(←確証はなし)が、そうすると、零はこのときは
元老院付きの魔戒騎士のはず。
(MAKAISENKIのラストシーンで「鋼牙の分までがんばらないとな」
 って言ったのは、元老院付きの魔戒騎士として、ってことだと
 A監督が言っていたので)

じゃあ、なぜ「番犬所に報告」が必要なんでしょうね?

では、仮に零が元老院付きでなく、東の管轄の魔戒騎士のまま
だったとします。
すると…
確か東の神官は1人だったはずです?
(牙狼1期の最後に出てきた東の新しい神官は、おじいさんだった!)

けど、零くん「あいつら」って言ってませんでした?
(聞き違い?)

じゃあ、あのおじいさん神官は異動したのでしょうか?
あ、あのおじいさん神官は、急遽、派遣された仮の神官?
それとも、年だから…


あ、西の管轄の倉庫が出てきましたね!
じゃあ、西の管轄に戻ったってことも?

魔戒騎士にも頻繁に転勤なんてあるのかしら?


む~ ますます、わからん…

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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