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牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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Anniversary!!
あぁ、時間がない!
なんとしても7月1日にアップしたかったのですが…
ホントはちょっとオーバーした(10分くらい)けど、7月1日にギリギリアップできたことにしてくださいませ。
理由はまた後ほど…
なんとしても7月1日にアップしたかったのですが…
ホントはちょっとオーバーした(10分くらい)けど、7月1日にギリギリアップできたことにしてくださいませ。
理由はまた後ほど…
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広いベッドの中。
少女のような寝顔のカオルは、目を静かに開いた。
二度三度とゆっくりとまばたきをしているうちに、徐々に意識が覚醒していく。
首を回して隣りを見てみると、そこに寝ているはずの鋼牙の姿はなかった。
昨夜は遅くまで鋼牙の帰りを待ってみたが、とうとうそのときまで起きてはいられなかった。
だが、どうやらベッドでちゃんと眠った形跡はあるから、きっと、カオルの眠った後に帰宅し、目の覚める前に起床したのだろう。
(もう出掛けちゃったのかなぁ…)
少し残念そうにそう思って、ベッド脇のサイドテーブルに置いたケータイに手を伸ばそうとした。
すると、そこにあるものに気が付いた。
(あれ? これは…)
カオルは慌てて身体を起こすと、ケータイのそばにあったそれに手を伸ばした。
両手でそっと包み込むように持ってじっと見てみる。
それは、淡い紫がかったトルコキキョウの花だった。
ラッピングなどは何もなく、夜露に濡れたようなしっとりとした手触りから、まるでついさっきまでどこかの庭先に咲いていたものを1本切り分けてもらったような、そんな印象をカオルは受けた。
寝室のベッドサイドにこんなものが置けるのは、恐らく鋼牙しかいないだろう。
花屋で買うようなちゃんとした花束でないところがなんとも鋼牙らしく思えて、カオルはクスッと笑みがこぼれた。
再びケータイを取ろうと視線をそちらに向けると、今度はまた、別のものが目に飛び込んできた。
落ち着いた色の赤いリボンがかかったブラウンの小さな箱だ。
手に取ってみると、中でコトリと音がした。
カオルは開けてみようかどうしようかしばらく迷ったが、意を決したように小さくひとつうなずくと、リボンの端に手をかけた。
スッと引いてみると、するりとリボンはほどけた。
箱を開けて中から黒いベルベットの箱を取り出す。
少しずつドキドキが高まっていくのを感じながら、カオルはそっとフタを開けてみた。
中のものを見て、カオルの顔が輝いた。
「わぁ…」
そこにはピアスが入っていた。
ブリオットにカットされたシャンパンカラーのダイヤモンドが、金のワイヤーで無造作な感じにぐるぐると巻かれ、フープピアスに留められているそれは、とても華やかな印象も与えたが、ワイヤーの感じが飾らない風合いを醸し出していて、シンプルな装いにもとてもマッチするように見えた。
ピアスのひとつを手に取って目の前にかざし、軽く揺すってみる。
すると、ダイヤモンドがプルプルと小さく揺れて、部屋に入り込んでいる朝の光をキラキラと反射した。
光を受けると、そのダイヤはまるで金色の輝きを放つように美しくきらめいた。
「きれい…」
カオルはうっとりとした表情で、思わずそう呟いていた。
しばらく、ニコニコと眺めていたが、やがてハッとしてカオルは飛び起きた。
(鋼牙に訊かなきゃ!)
カオルは目に飛び込んできたもので適当に着替えを済ませると、トルコキキョウの花とピアスを掴んで寝室から飛び出し、階下へと急いだ。
リビングのドアをパッと開けて飛び込むと、そこにはゴンザがいた。
「これはカオル様。おは…」
「ゴンザさん! 鋼牙は!?」
慌てるカオルは、ゴンザの朝の挨拶をぶった切るようにして尋ねた。
「はっ? …ああ、鋼牙様ですか?
鋼牙様なら朝食を終えられて、書斎に…」
事情がわからず戸惑いながらもゴンザが答えようとしたが、それすらも、
「ありがと!」
とさっさと途中で遮って、来たときと同じようにバタバタと出ていった。
そんなカオルを見て、ゴンザはポカンと口を開けたままだったが、ドアがバタンと閉じられるととも時間が動き出したかのように、ようやく開いていた口を閉じた。
そのあとは、ただカオルの消えたドアを見ながら、首をかしげるしかなかった。
書斎へと急ぎながらカオルは思った。
(鋼牙、覚えていたのかな?
今日がちょうど、出会って10年目だってことを…)
10年前の今日。
カオルの絵の展示会がいよいよ明日から、という日。
画廊のオーナーに憑依したホラーを斬りに、鋼牙が画廊を訪れた日。
カオルの画家になるという夢が一歩実現に近づこうかというあの日を境に、カオルは激動の運命に引き寄せられてしまった。
だが、あの出会いのお陰で、カオルはこうしてしあわせな日々を過ごしているのだ。
今日という日は、カオルにとっては意味のある日に思っていたのだが、ひょっとしたら、鋼牙もまたそんなふうに思っていてくれたのかもしれない。
そう考えると、カオルの胸は熱くなった。
早く鋼牙の顔が見たい…
優しいあの声が聞きたい…
そして、しっかりと抱きしめてもらいたい…
カオルは書斎のドアに飛びついた。
そして、ノックをするのももどかしく、部屋に飛び込んだ。
「鋼牙!」
fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
10年前の今日、2005年7月1日は、牙狼のクランクインの日でした。
第2話「陰我」のラストシーン、鋼牙がホラー イシュターブから取り戻したお金をカオルに返すあのシーンから、牙狼の撮影が始まりました。
あぁ、ほんとなら、今日は山下公園に行きたかった!
(あ、ロケ地が山下公園でした)
ここから鋼牙が歩き出したんだな、としみじみ浸りたかったです… (T_T)
…というわけで、今回の妄想は、鋼牙とカオルの出会いを記念してのお話でした。
妄想は唐突に終わっていますが、書斎に飛び込んだあとの展開は、どうぞ皆様の思うがままに楽しんで妄想してくださいませ。
コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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