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きんのまなざし ぎんのささやき

Shall we …(6)

ドレスっていろいろあるんですねぇ~
こんなに真剣にドレスを見たのは、初めてかも… っていうくらいでした。
あぁ~楽しかった。


…と言いつつ、肝心のオチを考えることから逃避していた週末でした。
(7話目のアップはいつになることやら… ですな)

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いよいよ舞踏会の日が近づいてきました。

「慣れないドレスを着て踊るのは、案外、重労働なのよ」

ある日、伯爵夫人はカオルンにそう言いました。

確かに、コルセットでガチガチに固められると、苦しくて息ができません。
長く膨らんだ裾のスカートは、踊ってみるとその重みで振り回されてしまい
そうです。

そこで、カオルンは伯爵夫人の屋敷を訪れては、練習用のドレスを借りて、
レイを相手にダンスの練習に打ち込みました。

夫人は若いふたりが踊るのを見守るのが日課となりました。
夫人というギャラリーがいてくれることによって、カオルンはめきめきと
上達していきました。
パートナーのレイまでが、そのリードっぷりに一層磨きがかかっていました。

見ている夫人のほうも、カオルンのダンスを、最初のほうはハラハラして
見ていましたが、この頃では優雅に踊るふたりを眺めながら、リズムに
乗って身体が自然と揺れるくらい、余裕を持って見ていられるように
なりました。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

毎日のようにレイとともに出かけていくカオルン。
その姿を王子は、これまた毎日のように部屋の窓から見送っていました。

『このところ、あのふたりはいつも一緒にいるな。
 いったい毎日毎日、どこへ出かけるんだか…』

呆れるような口調でバルザが呟きます。

「…」

バルザの問いに答えようとしない王子に、バルザはさらに言いました。

『レイは硬派なくせに、女子供には優しいからな。
 誰かさんと違って、気遣ってやってることをちゃんと伝えられる男だから、
 カオルンのやつ、レイがよくなったのかな?  …っと…』

言いながら、バルザは王子の反応を気にします。

「…何が言いたい?
 はっきり言ったらどうなんだ」

不機嫌そうな声で王子はバルザに言います。

『おまえさんが ’今進めていること’ を、カオルンに話してやったら
 どうなんだ?
 何の説明もないまま放っておかれたら、カオルンだって可哀相じゃ
 ないか』

王子はしばらく黙っていましたが、

「…俺には俺の考えがあるんだ」

と、言い捨てるように言いました。

『ほぉ~ 考えねぇ…』

面白がっているような口調でそう言うと、バルザは声音を低く抑え気味にし、
真面目な調子で言葉を続けました。

『だが、コーガ。

 頭ン中で考えるほど人間の感情ってものは計算ずくではいかない代物だ。

 おまえもカオルンを大事だと思うなら、それなりの態度を示してやらないと、
 どうなるか判ったもんじゃないぜ?』

「…」

バルザの真面目な忠告を聞きながら、王子は、楽しそうに会話しながら
遠ざかっていくカオルン達の背中を見送りました。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

そして、いよいよ、舞踏会の日です。

カオルンは伯爵夫人の屋敷にひとりで訪れました。
なぜなら、それは昨日のこと…



「カオルン。
 明日は、俺、エスコートしないからね」

そうレイが言ったのでした。

「まぁ、レイ。
 どうしてなの?」

カオルンよりも先に、夫人が尋ねました。

「何も意地悪で言ってるんじゃないからね、グレイス。

 カオルンの本命は俺じゃないって、まえに言ったよね?
 明日、俺がエスコートしたら、その本命のヤツ、勘違いしちゃうだろ?
 だから、俺は明日はカオルンにできるだけ近づかないようにしようと
 思ってるんだよ」

柔らかく微笑みながら、レイが夫人に説明します。

「あぁ、そういうことなのね」

説明された夫人も納得して、うなずきました。




…と、そんなことがあったのです。

夫人の屋敷に着くと、カオルンは、まずはバラの香油のたっぷり入った
お風呂に入りました。
そして、バスローブだけ羽織ると、ヘアメイクとメイクをしてもらいました。
されるがままに任せていると、自分がお姫様にでもなったかのような錯覚を
覚えます。

緩やかに巻いた髪をルーズにアップし、ベビーピンクの大きなバラの髪飾りを
飾り、名前も知らないような化粧品を、顔や手に塗られていくうちに、
カオルンの気分はごく自然にマックスにはね上がります。
メイクが仕上がり、初めて鏡を見せられたとき、

「うわぁ~ これがほんとに自分なの?」

とても信じられない、というふうに、カオルンは素直に驚きを表しました。
鏡の中には、目を見開いた、それは美しいレディが映っていました。



さて、いよいよドレスを着るときになって、運ばれてきたドレスを見た瞬間、
カオルンは息を飲みました。
伯爵夫人は、カオルンのその反応を楽しそうに眺めます。
ですが、口では、すまなそうなフリをして言いました。

「カオルン、ごめんなさいね。
 若いあなたにあのドレスのままでは、あまりに地味だと思って…
 勝手なことをして悪かったんだけど、少しだけドレスに手を入れたのよ」

過日、カオルンが伯爵夫人やレイの助言をもらって選んだのは、ベビーピンクの
プリンセスラインのドレスでした。
ただ、そのドレスは夫人が着ることを前提としたものなので、色が可愛らしい分、
デザインは飾りなどはほとんどない、シンプルな感じに仕立てられていました。

でも、今、カオルンの目の前にあるドレスは、スカートの部分に、濃淡の
ピンクのオーガンジーが幾枚も重ね合わされ、華やかさが加わっていました。
それだけではありません。
所々に黒いサテン地のリボンや黒いレースが配されて、甘いだけでなく、少し
大人のかわいらしさが感じられるドレスに生まれ変わっていました。

胸元には大きなバラの飾りがプラスされています。
そのことによって、ボリュームアップされたスカート部分とのバランスが
うまく取れていました。
ドレスのイメージはこちら…

「伯爵夫人、これって…
 ほんとにあのドレスなんですか?」

「えぇ、そうよ」

「あの… すごく素敵です!
 これ、ほんとにあたしが着てもいいんでしょうか?」

戸惑いながらも、カオルンはとても興奮していました。

「もちろんよ。
 気に入ってもらえた?」

「はい、それはもう…」

カオルンは満面の笑みで夫人に言いました。
それを聞いて、夫人はとても安心しました。

「あぁ、よかった。
 カオルンの喜ぶ顔が見たかったの。

 これを来て舞踏会に出たら、どんな殿方もイチコロだわ」

伯爵夫人は悪戯っ子のように笑いました。

さっそく、そのドレスを身にまとったカオルンは、どこからどう見ても、
本当に素敵なレディでした。
恥じらいながら一周して見せたカオルンを見て、

「カオルン。
 本当に素敵よ」

と、夫人がしみじみ言いました。

「ありがとうございます、夫人。
 あたし、幸せ過ぎてどうにかなっちゃいそうです」

カオルンは正直な胸の内を明かしました。

「こんなによくしてもらって、あたし、どうお返ししたらいいのか…」

少し顔を曇らせてそう言うカオルンに、

「ダメダメ、そんな顔しちゃいけませんよ。

 お返しだったら、こういうのはどうかしら?
 今度、舞踏会のことをわたくしに教えてちょうだい。
 ねっ、それでいいでしょ?

 さぁさ、カオルン。
 今は、舞踏会を目一杯楽しむことだけを考えなさいな」

夫人は優しくそう言いました。



to be continued(7へ)

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拍手[20回]

コメント
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無題
shall we 楽しく愛読させていただいております。感謝、コーウガの堅物ぶりとレイのナイトぶりそしてカオルンを思うゴンザの親心ぶり
カオルンは幸せものですね、さあいよいよクライマクス第7話シンデレラのように12時て魔法が解けないようにくえぐれもよろしく、いや12時から本当の(幸せの)魔法がカオルンかかりますように、長らく愛読のみでご挨拶が滞り申し訳ありません姑の世話が少し増えて、お話を読ませていただき元気の源をいtだいてmります、感謝
かままま 2013/06/16(Sun)23:44:25 編集
Re:無題
> 12時から本当の(幸せの)魔法がカオルンかかりますように
な、なんて素敵なことを言うのでしょう…
魔法使いのおばあさんを呼んでこないといけませんね?
いやいや、コーガが素直になりさえすればいいだけか。
(この先どうなるのかは、selfishでもワカラナイのですが… えへへ)

お姑さんのお世話、大変ですね。
ひとりで背負い込まずに、うまぁ~くご家族にも協力してもらってくださいね。
そして、ウォーキングでもなんでも、上手に息抜きすることもお忘れなく…
こんな勝手気ままな妄想でも、かなまま様の気晴らしになってくれればいいなぁと思います。

「コメント、無理して書かなくてもいいですよ」などとは ’絶対に’ 言いません!
間が空いてもいいので、「元気ですよ」の一言でもいいので、書いてくださることをお待ちしています!
だって、それも「かなまま様にとっての気分転換」になると思ってますから… ねっ

かなまま様もお身体、お心ともにお気を付けくださいませ。
p(*^-^*)q 牙んば狼~ ♪
【2013/06/17 20:36】
うあ~
ドレス、可愛いぃ~vvv
カオルンの、こんな可愛いドレス姿を見たら、さすがのコーガも
ダンスに誘っちゃうでしょう!
( いや、誘わないと他の男性から声を掛けられかねませんよぉ! : 笑 )
舞踏会のシーン、楽しみにしてます!
URL 2013/06/18(Tue)13:41:48 編集
Re:うあ~
よかったぁ~
こういうの選ぶのすっごく苦手で…
 (見てるのはすご~~~く楽しいんですけどね)
ドレス褒められて嬉しいです!

舞踏会って「想像」の中にしかないので、いざ書こうと思うと難しいですねぇ~
挫折しそうです…
そして、王子がカオルを誘うところが想像できなくて、これまた悩む~~~
【2013/06/19 08:14】
すみません!
本日の妄想アップはできそうにありません。
どんなふうに展開しようかまだ迷ってまして…
うまくしたら明日にでも、とは思うのですが、
きちんとお約束するのも難しく…
どうか、どうか気長にお待ちくださいませ!

2017/11/19
selfish

selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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