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きんのまなざし ぎんのささやき

ここから(4)

すいません、無断で1週お休みしてしまいました。
どうしてお休みしたか(お休みになったか)はまた別にお知らせするとして、久しぶりに書くと勝手がわからなくなるものですね。
とにかく、先に進まない、進まない…

えっ、進まないのは今までも同じ? あはは、そうですね。 (*'ω'*)

少し短いかもしれませんが、よろしければ続きをどうぞ!


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レオと烈花は、エルバの指示した方向を睨み、ホラー エストギルの出現を待った。
息苦しいような沈黙の時間がナメクジのようにノロノロと過ぎていく。

「来たよ」

エルバのしわがれた声が、まるで郵便配達員の到来でも告げるようにのんびりと告げた。
その声のすぐ後に、前方の茂みがガザガザと音を立て、大きく揺れる。

「ほぉう、わたしが来るのを待ってくれたいたのか」

余裕たっぷりの声が闇の中から響いてきた。
まだ姿を見せない相手に油断なく構えながら、

「ああ、待ちかねたぞ」

と烈花は応えた。

「ほほう、こいつぁ、きれいな魔戒法師のお嬢さんですね。
 嬉しいなぁ。こんなお嬢さんがわたしを待っていてくれたなんて…」

嬉しそうにそう言うホラーの声が怪訝そうに低く唸った。

「んんっ? なんです? お嬢さんひとりで待っていたわけじゃないみたいですね?」

「悪かったね。
 お邪魔かもしれないが、僕も混ぜてもらいますよ」

レオは少しもすまなそうな顔を見せず、涼やかにそう言って剣を抜いた。

「おやおや、少し汗をかかないとそちらのお嬢さんとデートできそうにない、ということですか…
 いや… デートじゃなくディナーの間違いでしょうか? くっくっく…」

闇の中から押し殺したような笑いが聞こえる。
それを聞いた烈花は不快そうに眉間の皺を深くするが、

「そんなに相手をしてほしいなら、こちらに来て姿を見せたらどうなんだ」

といつもの口調を変えずに言った。

「確かに。
 あなたのようなきれいな方に誘われたのでは、こちらもお断りすることはできませんね…」

そう言いながら木の影からスッと現れたのは、2メートルを超える細身のホラーだった。
形態そのものはトゲトゲと突き出たような突起物がほぼなく、ものすごくシンプルなものだったが、腰の辺りから左右に昆虫の羽のようなものが伸びているのが印象的だった。
それはまるで、燕尾服を着ているようなシルエットを作っていて、ホラーのしなやかで優雅な身のこなしと相まって、どこか上品な印象を抱かせていた。
烈花たちとの言葉のやりとりからしても、なかなかクセのあるヤツらしいことは容易に想像できた。

「さて、どちらからお相手すればいいですかな?
 わたしとしては女性のほうに、あとでゆっくりお相手願えると嬉しいのですが…」

ホラーはゆっくりと烈花を見て、それからレオのほうに首を回した。
暗に、先にレオを始末してやる、という意思表示をしているようだ。

「おまえの希望をこちらが聞いてやる筋合いはないっ」

そう言うと、烈花は素早く呪文を口ずさんで、筆を持った手をくるり回して術を連続して放った。
もちろん、ホラーのほうもそれに黙ってやられるわけはなく、右に左に身体を捻り、最小限の動きで躱(かわ)していた。

「なるほど。
 美しいばかりでなく、なかなかデキる女性なのですね、あなたは…
 ますます気に入りましたよ」

ホラーはニヤリと笑った。
その笑みに初めて下卑た嫌らしさが浮かび、ホラーの本性が垣間見える。
だが、烈花はそれに怯(ひる)むでも臆するでもなく、果敢に突っ込んでいった。
持って生まれた柔軟性を活かして、風に舞う木の葉かあるいは清流を泳ぐ魚のように流れるような攻撃が、畳みかけるように連続して繰り出されると、さすがのホラーも、ほほう、と心の中で感嘆した。
けれども、その攻撃のどれもはクリーンヒットするわけではなく、うまく躱され、いなされ、受け流された。

(これならどうだ!)

烈花はさらに攻撃を仕掛けた。
さらにスピードをあげ、息をもつかせぬ速さで技を繰り出したり、その逆に、わざと緩急をつけて責め、とにかく一撃でもいいから相手に喰らわせようといろいろ試みた。
だが、烈花の拳はホラーに届かない。

(くっ…)

烈花が少しばかり焦りを感じたところで、レオが横から攻撃に加わった。

「僕もいますよ」

そう短く宣言したレオは剣を閃かせて、右から左からとあらゆる方向から攻撃を仕掛けた。
烈花との闘いで相手がかなりの腕前であることを悟ったレオは、一撃で相手を倒すことは無理だと判断して、相手の隙を突いて一手でも届くことを狙った。
その意図は烈花にも通じたようで、レオの攻撃の逆を突くように烈花も攻撃に加わる。

レオと烈花の攻撃は段々と息も合い、時にホラーにかすり、時に足元をよろめかせるほどではあったが、それでも決定打と呼ぶには至らなかった。
長い攻防の後、

「ちょろちょろとしつこい方たちですねぇ」

息を弾ませたホラーが舌打ちしながら言う。
が、対する烈花たちも同じように息を弾ませているわけで、2対1だということを考えると、烈花たちの分(ぶ)が若干悪い。
けれども、ホラーのほうもかなりイラついていることがわかったことで、烈花たちも手ごたえは感じている。

「それは褒め言葉として受け取ってやろう」

「僕たちの手を振り解くのは、かなり難しいと思いますよ」

肩で息をしつつも、ふたりはわずかに笑顔を見せて言った。
大丈夫、まだまだ闘う士気は弱くない。

「面倒な方たちですねっ」

初めて顔を歪ませたホラー。
怒気を孕ませつつ、今度はホラーのほうからふたりに襲いかかる。
烈花もレオも歯を食いしばってその攻撃を弾き、躱した。
が、眼前の敵に集中したため背後への意識が薄れたのか、烈花が茨(いばら)の茂みに髪を取られてしまった。
一瞬何が起こったか解らず慌てた烈花が不用意に振り返ると、無数の小さな棘(とげ)が彼女の白い頬に傷をつけ、血を滲ませた。

「烈花さんっ!」


to be continued(5へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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