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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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もしもの話(12)

ただでさえ、書く手が遅いのに…
アクションシーンって難しい…
はぁぁぁぁぁ


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見上げるほどに巨大なホラーに対し、示し合わせたわけでもないのに、コーガとレイは左右同時に切り込んでいきました。
コーガが巨大ホラーの左の脛に一太刀入れると、レイは双剣を舞うように閃かせながらホラーの右足に飛びつき、さらにそこで腰を大きく沈みこませると反動を利用して反対側の足へと大きくジャンプして、膝に剣を突き立てました。

  ギャー

巨大ホラーは地を震わせるような吠え声をあげ、思わず右足の膝をつきました。が、そのまま黙ってやられているばかりではありません。
カマキリのカマのような硬くて大きな両腕をブンブン振り回して、攻撃をしかけてきたふたりを振り払おうとします。
巨大ホラーの膝に深々と突き立てた剣をようやく抜いたところだったレイは、体制を整えるのが間に合わずに、そのままホラーのカマにはげしく身体を打ち付けられました。

「レイ!」

コーガは、ブゥーンと目の前を横切った巨大なカマをすんでのところで躱(かわ)して、仲間の身を案じ見上げました。

「大丈夫だ!
 っく…」

コーガの声に、レイがすぐに応えます。
レイは、ホラーの腕にしがみついていて、振り落とされまいと必死の形相でした。
コーガは少しほっとしましたが、すぐに気を引き締めます。
右に左にと闇雲に振り回されるホラーの両腕をじっと見て、その動きとスピードを見極めると、大きくジャンプしました。
まず、ホラーの右腕、そして、すぐに左腕へと飛び移り、そこからまたホラーの左の背中目掛けてジャンプしました。
ジャンピした中空でコーガは剣を逆手に持ち替えると、ホラーの肩甲骨の下辺りに突き立てました。

  グギャー

2度目の苦悶の声をあげたホラーが大きくのけぞりました。
すると、断崖絶壁のようだったホラーの背中が、コーガのほうへ覆いかぶさるような形となり、コーガは両手で剣にぶら下がるような体制となり、両足がぶらんと空(くう)に揺られます。

「くっ」

コーガの顔も苦し気に歪みますが、歯を食いしばり、懸垂の要領で腕の力だけで身体を引き上げます。
すると、今度はホラーが身を折り曲げるようにしたので、ガクンとコーガの身体も揺れました。
そのはずみで両足をホラーの背中に着けることができたコーガは、そのまま両腕に力を込め、重力を味方にして、一気にホラーの背中を裂きながら降下しました。

ホラーの腕にしがみついていたレイも、隙をついてホラーの肩まで登ってきました。
時折、咆哮をあげながらのけぞるようになるホラーに、

(やってるな)

と思わずニヤリとします。
姿は見えませんが、朋友の奮戦ぶりが想像されて負けていられない気持ちになるのです。
レイは不安定な状況の中で、両手に持つ双剣の柄(つか)どうしを突き合わせ、ガチャリとはめ込むと、狙いをすまして大きく振りかぶります。
レイの手を離れた銀色の剣は、ひゅるひゅると風を切って、ホラーの顔面を襲います。
左の目の下をザクリと割ったかと思うと、そのまま後頭部の後ろを回り、ブーメランのように返ってきて、右耳を大きく裂いてレイの手元に戻ってきました。

背中を縦に斬りつけられ、今また顔面へのダメージを受けて、ホラーは堪らず背中から地面に倒れ、顔を抑えて転げまわりました。

ホラーが地面に倒れる寸前に飛び降り、ホラーから距離を取って地面に降り立ったコーガのもとに、レイも降り立ちました。

「コーガ!」

レイに向かい、コーガがうなずきます。
それだけで意志が通じ合ったふたりは、同時に剣を天に突き立てます。
ソウルメタルの剣がくるりと空気を切り裂いて円を描くと、

  ガシャン

という重たい金属音が響き、狼の意匠の鎧がふたりの騎士に装着されました。
きらびやかに輝く金の鎧と、冴え冴えとした光を放つ銀の鎧…

金狼の鎧の下で、コーガは驚愕していました。
レイがソウルメタルの剣を操れることですら驚きであったのに、いつの間にか鎧まで召喚できるようになっていたことに対して、畏怖の念が禁じえません。

「レイ、おまえ…」

鎧の中から聞こえるくぐもったコーガの声に、同じく籠ったようなレイの声が被さります。

「あはっ、驚いた?
 おまえにばかりイイカッコさせてられないだろ?」

直接目にはできませんが、きっとレイはウィンクのひとつもしているでしょう。
そう思ったコーガはふっと肩の力が抜けて、首を横に振りました。
本当にすごい男だな、と認めざるを得ません。
そして、こうも思いました。
こいつが味方でよかった、と。

「さあ、さっさと片づけちまおうぜ?」

「ああ…」

そう言うとふたりは目の前でのたうち回っている巨大ホラーを睨み、ぐっと表情を引き締めます。
剣を握り直し、今まさに踏み出そうとしたとき、

「きゃああああ」

というカオルンの悲鳴が響き渡りました。
コーガとレイは、すぐに声のほうに振り返ります。
すると、そこには、ハーリーティーに自由を奪われ、顔を引きつらせるカオルンの姿がありました。



to be continued(13へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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