きんのまなざし ぎんのささやき
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夢の途中(2)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
白いコートの男が帰った後、カオルはソファーの上で膝を抱えていた。
何かを考えようとするのだが、混乱している頭では何も考えられず、
ただただ床の一点を呆然と眺めているだけだった。
「展示会、駄目になっちゃった…」
言葉にしてみると、自然と涙がポロポロ膝に落ちていった。
コンコンコン
家のドアをノックする音。
こんな真夜中に誰だろう、と涙を拭きながらソファーから立ち上がり、
ドアのガラスを透かして外を見てみる。
そこには先ほどの白いコートの男が立っていた。
ドアを開けながらカオルは厳しい口調で問いかける。
「何? まだなんか用なの?
…あっわかった、絵の代金払いに来たんでしょ、ねぇそうでしょ…」
「いや、そうじゃない…」
そう言いながら男はズカズカと家の中に入ってくる。
「…ちょっ、何、勝手に入んだいでくれる? ケーサツ呼ぶわよっ」
スゴんで言うカオルを見て、
「なんだ、泣いていたのか?」
展示会がダメになったくらいで何を泣いているんだと、見下されたように
感じたカオルは声を荒げる。
「あたしの夢に近づく第一歩だったんだから…
…悔しいのは当然じゃない…」
最初の勢いは最後まで続かなかった。
先程ぬぐった頬を新たな涙が伝っていく。
そのとき、男の手が素早く動き、"記憶写しの札" がカオルの額に
貼られた。
カオルの意識が遠のき膝から崩れた。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
鋼牙は女を抱き止めソファーにふわりと降ろしてやった。
『…よし、もう剥がしていいぞ、鋼牙。』
数分の後、ザルバが言った。
「…」
鋼牙は無言で "記憶写しの札" を女の額から外した。
『なんだ鋼牙、この女の剣幕に驚いたのか?』
「いや、そうじゃない…
展示会がダメになったことがそんなに大変なことか?
俺にはわからん、そう思っているだけだ。」
『確かに俺にもわからんな…
ただ…フフフッ…』
「ただ、何だ?」
『いやぁ、ただ、思い出すなぁと思ってな。
どうしても大河の剣を抜きたいと… そして、俺と契約して黄金騎士に
なるんだと… そんな夢を持っていた少年がいたなってことをさ。』
「…」
『お前は夢を叶えちまったからな、鋼牙。』
ザルバの言葉を聞き、鋼牙は改めて女を見た。
涙のあとを頬に残してソファーに横たわる女を、今初めてちゃんと見た
気がした。
そして思い出していた。
昼も夜も寝ても覚めても、剣のことが、黄金騎士のことが片時も頭から
離れなかった、がむしゃらに努力していたあの日の自分を。
to be continued(おまけへ)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
妄想に出てくる ”記憶写しの札” は、オリジナル(原作)には
存在しないお札ですので、念のため、ここで明記しておきます。
さて一発目の妄想、「夢の途中」は、いかがでしたでしょうか?
TVシリーズ第1弾の1話目「絵本」のときの鋼牙は、カオルのことを
それは、もう、まるで ”モノ” のように乱暴に扱っていましたよね?
ところが、2話目「陰我」では、カオルの大事なお金を取り返して
くれちゃったりします。
し・か・も・ですよ…
「あの娘にとってその金は夢をかなえるために大切なんだ」
と、カオルの夢を応援するかのような台詞まで言ってくれちゃったり
するわけです。
鋼牙ったら人間らしい感覚が少し成長したのかしら?
こりゃ~、「絵本」のお話の後に何かあったな?
と勘ぐってしまったのが、この「夢の途中」という妄想であります。
なお、「夢の途中」にはおまけがあるので、そちらもお楽しみください。
白いコートの男が帰った後、カオルはソファーの上で膝を抱えていた。
何かを考えようとするのだが、混乱している頭では何も考えられず、
ただただ床の一点を呆然と眺めているだけだった。
「展示会、駄目になっちゃった…」
言葉にしてみると、自然と涙がポロポロ膝に落ちていった。
コンコンコン
家のドアをノックする音。
こんな真夜中に誰だろう、と涙を拭きながらソファーから立ち上がり、
ドアのガラスを透かして外を見てみる。
そこには先ほどの白いコートの男が立っていた。
ドアを開けながらカオルは厳しい口調で問いかける。
「何? まだなんか用なの?
…あっわかった、絵の代金払いに来たんでしょ、ねぇそうでしょ…」
「いや、そうじゃない…」
そう言いながら男はズカズカと家の中に入ってくる。
「…ちょっ、何、勝手に入んだいでくれる? ケーサツ呼ぶわよっ」
スゴんで言うカオルを見て、
「なんだ、泣いていたのか?」
展示会がダメになったくらいで何を泣いているんだと、見下されたように
感じたカオルは声を荒げる。
「あたしの夢に近づく第一歩だったんだから…
…悔しいのは当然じゃない…」
最初の勢いは最後まで続かなかった。
先程ぬぐった頬を新たな涙が伝っていく。
そのとき、男の手が素早く動き、"記憶写しの札" がカオルの額に
貼られた。
カオルの意識が遠のき膝から崩れた。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
鋼牙は女を抱き止めソファーにふわりと降ろしてやった。
『…よし、もう剥がしていいぞ、鋼牙。』
数分の後、ザルバが言った。
「…」
鋼牙は無言で "記憶写しの札" を女の額から外した。
『なんだ鋼牙、この女の剣幕に驚いたのか?』
「いや、そうじゃない…
展示会がダメになったことがそんなに大変なことか?
俺にはわからん、そう思っているだけだ。」
『確かに俺にもわからんな…
ただ…フフフッ…』
「ただ、何だ?」
『いやぁ、ただ、思い出すなぁと思ってな。
どうしても大河の剣を抜きたいと… そして、俺と契約して黄金騎士に
なるんだと… そんな夢を持っていた少年がいたなってことをさ。』
「…」
『お前は夢を叶えちまったからな、鋼牙。』
ザルバの言葉を聞き、鋼牙は改めて女を見た。
涙のあとを頬に残してソファーに横たわる女を、今初めてちゃんと見た
気がした。
そして思い出していた。
昼も夜も寝ても覚めても、剣のことが、黄金騎士のことが片時も頭から
離れなかった、がむしゃらに努力していたあの日の自分を。
to be continued(おまけへ)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
妄想に出てくる ”記憶写しの札” は、オリジナル(原作)には
存在しないお札ですので、念のため、ここで明記しておきます。
さて一発目の妄想、「夢の途中」は、いかがでしたでしょうか?
TVシリーズ第1弾の1話目「絵本」のときの鋼牙は、カオルのことを
それは、もう、まるで ”モノ” のように乱暴に扱っていましたよね?
ところが、2話目「陰我」では、カオルの大事なお金を取り返して
くれちゃったりします。
し・か・も・ですよ…
「あの娘にとってその金は夢をかなえるために大切なんだ」
と、カオルの夢を応援するかのような台詞まで言ってくれちゃったり
するわけです。
鋼牙ったら人間らしい感覚が少し成長したのかしら?
こりゃ~、「絵本」のお話の後に何かあったな?
と勘ぐってしまったのが、この「夢の途中」という妄想であります。
なお、「夢の途中」にはおまけがあるので、そちらもお楽しみください。
コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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