きんのまなざし ぎんのささやき
牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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大胆な彼女
G.W.だ~
ゴールデンウィークだ~
ガロウィークだ~
えっと… ↑これ、妄想には関係ないです。ええ、まったく…
ゴールデンウィークだ~
ガロウィークだ~
えっと… ↑これ、妄想には関係ないです。ええ、まったく…
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カオルは全身の映る鏡の前で、くるりと一回転してみた。
スカートの裾がふわりと広がり膝小僧をチラリと見せたと思ったら、折りたたまれるように螺旋(らせん)の皺を描いて足に絡みついた。
鏡の中のカオルは、濃紺に白の花柄のワンピースを着て、ゆるくまとめた髪から除く耳には淡水パールのピアスが揺れていた。
上品でありつつしっかりとメイクした顔には満足そうな笑みが浮かび、
「よしっ」
と大きくうなずいた。
今日は、知人の画家が開く個展に招待されたので、ちょっと気合を入れてめかし込んでいるのだ。
カオルはチラッと時計を見て時刻を確認して、最後の仕上げとばかりにコロンを首筋にシュッ掛けてから、ベッドの上に置かれたカバンと薄手のストールを掴んで部屋を後にした。
リビングに顔を覗かせると、鋼牙とゴンザがいた。
「今からちょっと出かけてくるね」
そう言うカオルに、ゴンザはニコニコしながら、
「ああ、個展をご覧になりに行くと言っていた、アレでございますね。
ほぉ~ 今日のカオル様はまた、一段とお綺麗ですよ」
と声を掛けた。それに続けて、
『馬子にもなんとか… というやつか?』
と茶化すザルバに、カオルは、
「失礼ねぇ、ザルバったら」
と怒ったような顔をして見せる。
『冗談だ、カオル。そう怖い顔をするな。
せっかくのオシャレが台無しだぞ。
なあ、鋼牙!』
ニヤニヤと余裕たっぷりにそう言ったザルバが鋼牙に話を振ったので、そこにいる全員の視線は一斉に鋼牙へと集まった。
すると、それまで穏やかな表情だった鋼牙が少しだけ表情を引き締めた。
注目の集まる中、鋼牙の発した言葉は…
「そうだな…」
と一言。
なんとも中途半端な返事にカオルは少し(いや、かなり)落胆し、すぐにきっと睨むように鋼牙を見た。
「んもう、ちゃんと見てよ。
これでも結構時間かけて頑張ったんだから!」
そう言うと、鋼牙の前で右を向いたり、左を向いたりポーズを取って見せた。
そして、ゆっくりとターンしてからピタッと決めのポーズ…
すると、どうしたことだろう。
鋼牙の顔が見る見るうちに険しくなっていった。
「カオル、それは…」
呻くように言葉を絞り出す鋼牙。
ゴンザのほうは思考が停止し、ぽかんと口を開けていたのだが、鋼牙の言葉にハッと我に返って、オロオロとしながらふたりの顔を見比べた。
「えっ、何? どうしたの?」
鋼牙の変化に気づいたカオルは、鋼牙に少し近づきながら訊き返した。
「その背中…」
苦々(にがにが)し気にそう言う鋼牙に、カオルは鋼牙の言わんとすることにピンときて、あっけらかんと言い放つ。
「ああ、これ?
ふふふ、すごいでしょ~」
ドヤ顔でそう言って、鋼牙たちに背中を向け、見返り美人よろしく首を捻ってみせた。
前から見るとごく普通のワンピースに見えたそれは、後ろはパックリと大きく割れていて、カオルの陶磁器のように白く滑らかな背中が丸見えだった。
「ちょっと大胆だよねぇ」
そう言って、ハハハと笑うカオルに、鋼牙はワナワナと震えて言葉もない。
代わりに、ゴンザが声を潜(ひそ)めるようにして
「カオル様、それはちょっとどころではありませんぞ。
か・な・り・大胆でございます…」
と窘(たしな)めた。
「ええ? そうかなぁ~
あ、でもね。さすがにこのままっていうのはナイって、あたしも思ってるから!
ほら、このストールを巻いていけばいいでしょ?」
と、手に持っていたストールを鋼牙たちのほうに突き出した。
すると、鋼牙がサッと立ち上がり、カオルの手からそれを鷲掴みに奪い取ると、バッと広げてカオルの背中に羽織らせた。
「ほらね? こうしたら大丈夫じゃない?」
そう言って、カオルはまた一回りする。
すると、それまで怖い顔をしていた鋼牙が、さらに般若(はんにゃ)の如き面相となる。
なぜなら、そのストールは、カオルの背中を覆い隠すにはあまりにも… そうあまりにも薄過ぎた。
ストールを羽織ることで透けて見える背中が、なんだか余計に艶めかしくさえ思えるのだ。
「駄目だ!」
鋼牙は大きな声を出して反対の意を唱え、カオルの腕を掴んでリビングを出た。
廊下をズンズンとカオルの部屋の方へと足を進める。
「それは却下だ!
もっとしっかりとしたジャケットを羽織っていけ!」
「ええ~っ!
ジャケットって… それはちょっと暑くない?」
腕を引っ張られながら反論するカオルだったが、足を止めて振り返った鋼牙が、
「それが嫌なら、それを脱いで別のものを着ていくんだな!」
と睨んだ。
もちろん、ホラーも震え上がるほどの鋼牙の睨みなど、カオルには通用しない。
「…わかったよ。ジャケット着ます…」
うなだれながら呟くカオルに、鋼牙は深い深い溜息を吐いた。
『鋼牙、カオルの背中にキスマークでもつけてやれよ。
そうすりゃ、さすがのカオルも、嫌でも隠したくなるさ!』
ザルバは鋼牙に睨まれると知りつつも、そうおちょくることを忘れない。
案の定、鋼牙に盛大に睨まれたザルバだったが、こちらもカオル同様、少しも効いてはいない。
『くっくっくっ…』
と喉の奥で笑いをかみ締めるザルバからプイっと顔をそむけた鋼牙は、面白くなさそうな顔で歩くしかなかった。
fin
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はい、ごくごくシンプルに、ヤキモチ鋼牙の妄想でした~
MAKAISENKI のアノ老成した夫婦然としたふたりとは違う、バカップルに成り果ててしまってますが、それはもう楽しく妄想したったわーっ!
ふふふ♡ いと楽し! 満足なり~♪
コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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