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きんのまなざし ぎんのささやき

終わらない日(1)

長い長い一日の終わり」を書いた後、もう少し妄想をしていたい気分になりまして…
特に何があるというわけではありませんが、書き始めてみました。
よろしければ、またおつきあいを…


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柔らかな朝の光が差し込むキッチン。
ガラスの器に入ったヨーグルトの上に、スプーンですくった黄金色のジャムを乗せると、ゴンザは、これでよし、と小さく呟いた。
すると…
ドアの向こうから、パタパタ近づいてくる軽い足音が聞こえてきた。

  ガチャ

ドアが開き、姿が見えたと同時にカオルが弾む息のもと、問いかけてきた。

「ゴンザさん、鋼牙は? 帰ってこなかったの?」

そう言ってゴンザの答えを待つカオル。

指令続きでなかなか鋼牙に会えないカオルは、今夜こそはと鋼牙を待つつもりだったのだが、日付が変わってずいぶん経つというのに鋼牙が一向に帰らないためにいつの間にか眠っていた。
翌朝、目を覚ましたカオルが慌てて鋼牙のベッドを覗いてみたが、そこには眠った気配がなかったことから、まだ鋼牙が帰っていないと思ったのだろう。

ゴンザは少しばつが悪そうに目をそらした。
鋼牙は昨夜遅く… 明け方近くになってから帰宅したのだが、カオルの顔を一目見ただけですぐにまた指令のために出かけて行ったのだった。
ゴンザは一呼吸おいてから穏やかな声で言った。

「カオル様…
 鋼牙様は一度お戻りになりましたが、すぐにお出かけになられました。
 恐らく2~3日は戻らないだろうとのことでした」

そう言いながらゴンザの胸はキリキリと痛んだ。
なぜなら、カオルの表情がみるみると落胆の色に染まっていくのを見たからだ。

「…そう」

力なくそう答えたカオルは、心配そうにこちらを見ているゴンザに気づくと笑顔をつくって見せた。

「鋼牙の様子はどうだった? 元気そうだった?」

そんなカオルの様子に、ゴンザも

「はい少しお疲れのようではございましたが… 
 でも、大丈夫!
 鋼牙様のことですから、お仕事を終えられてじきに帰ってまいりますとも」

と笑顔で答えた。

「うん、そうだね!」

カオルも明るくそう言った。




けれども、鋼牙が留守の間、カオルはどことなく沈んでいた。
ゴンザの前では明るく振舞ってはいたが、ふとした拍子に見せる寂しげな表情に、ゴンザはやりきれない切なさを感じた。
けれども、それにはあえて触れずに、いつもどおりに接することにゴンザは徹するのだった。




2日後。

「カオル様! カオル様!」

庭の片隅にしゃがみ込んでスケッチをしていたカオルを探して、ゴンザが小走りにやってきた。

「ここよ、ゴンザさん」

立ち上がりながら声をかけたカオルの元に、ゴンザは駆け寄ってきた。

「どうしたの?」

ちょっと不安そうに尋ねるカオル。
そんなカオルにゴンザは笑顔でこう言った。

「カオル様、鋼牙様からご連絡がありました」

「えっ、鋼牙から?」

驚きつつもすぐに喜びが溢れ、カオルの顔は自然と笑顔になるのだった。

「はい、今日中にはお仕事のケリがつきそうだ、ということです。
 お帰りは、恐らく明日になるだろうと…」

そう言うゴンザの顔も嬉しそうに笑っている。

「そっか… よかった…」

噛みしめるように呟いたカオルに、

「もうあと1日の辛抱でございますよ、カオル様」

とゴンザは声を掛けた。
うん、と素直にうなずいたカオルは、安心したように大きくひとつ息をついた。



to be continued(2へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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