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きんのまなざし ぎんのささやき

惑わされて(3)

当初の妄想にはなかった「カオルちゃんの妄想」が加わり、今後の
展開に波乱の予感が…

でも、こういう勢いで書くのは嫌いじゃない。
(あ、いつも、勢いしかないんでした!)

さぁて、今日の勢いはどっち方面に行くんでしょうね?


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それからも、レオくんは3日とあけず、冴島の屋敷を訪ねてきては、
鋼牙達のことをいろいろ教えてくれた。

「鋼牙さん達は、’憂いの社(やしろ)’ に到着したと報告が
 ありました」

とか、

「ようやく ’まどろみの洞窟’ にたどり着いたようです」

とか、元老院のほうに報告があると、何をおいてもすぐに知らせに
来てくれる。
そして、あたしはそのたびに、勝手な想像を頭の中で繰り広げ、
ひとりで赤くなったり青くなったりしるのだった。




思うに、どうもあたしは昔からそういうところがあった。

幼い頃から絵を描くことは勿論好きだったんだけど、それと同じくらい
いろいろなことを空想することも大好きだった。

小さい子供のときは、森の動物たちと楽しく遊んだり、あたしと
同じくらいの年の ’大親友’ (←もちろん想像)と仲良く遊んだり
することを想像して楽しんでいたし、大きくなって年頃になると、
自分には不釣り合いなくらいカッコいい男の子から、熱烈に
告白されることを夢見たりした。

そして、画家になるという目標を決めた頃からは、世界の名だたる
ギャラリーで個展を開いているところや、新進気鋭の女性画家として
TVや雑誌などのメディアから取材を受けたりしているところを
イメージしては、ひとりでニヤニヤしていた。

振り返ってみると、そのどれもが、「こうだったらいいな」 という
欲望なんだってことがわかる。

ところが、最近あたしがする空想は、「鋼牙にはこんなこと言って
ほしくない」とか、「蒼穹ちゃんとこうなってほしくない」という
ことばかりだ。

(どうしてこんなふうに考えちゃうんだろう…)

その原因を考えてみると、多分それは、幼い頃のあたしとは違って、
今のあたしがとても満たされているから、かもしれない。

一流とは言えないけど、画家として、まあまあ途切れることなく
お仕事をもらうことができているし、’家族同然’ と呼べる人たちと
一緒に大きなお屋敷にも暮らしている。
零くんやレオくんのような親しくしてくれる人もいて、いつの間にか
あたしには、「欲しいもの」じゃなく、「失くしたくないもの」が
いっぱいできていた。

いつものように、出ていったきり、鋼牙がどこで誰と何をやって
いるかわからなければ、ちょっとは違っていたのかもしれない。
でも、あたしは、鋼牙と24時間一緒に行動している人が、魅力的な
子だということも知っているし、ふたりが協力しながら頑張っている
過程もレオくんから聞いて知っている。
だから、知らないうちに、鋼牙を取られちゃうかもしれないという
危機感を抱いているんじゃないかと思うの。

「鋼牙のことを信じたい」と思っていても、「鋼牙に限ってそんな
ことはあり得ない」と思っていても、そう思えば思うだけ、よくない
想像があたしを苦しめる。
そして、そんな想像をしてしまう自分が嫌で嫌でたまらない…




こんなとき、仕事に熱中できたら、いくらかマシだったろう。

でも、悪いことに、今取り組んでいる仕事は、クライアント都合で
保留状態なのだった。
クライアントからのGOサインが今日出るか、明日になるか…
あるいは、「手直しが必要だ」と突然言われるかもしれなかったし、
ひょっとしたら、根本的に大きな駄目出しをくらうかもしれなかった。

不安なまま相手の反応を待っている、そういう心理状態もまた、
今のあたしを苦しめているひとつの要素だ。




そして、さらにもうひとつ。
あたしを暗い気持ちにさせていることがある。



大きな声では言えないんだけど…  実は、アレが来てないのだ。



(少し遅いだけかな?)

そう言われれば、そのくらいの遅れではあるんだけど…

確かに、以前は、絵を描くために食費や睡眠時間を削っていたので、
度々(たびたび)遅れるようなことは、あるにはあった。
でも、そのときには、全く「身に覚えのない」ことだったし、
「ストレスか何かでそんなこともあるんだろうな」って具合にしか
思わなかった。
その証拠に、栄養も睡眠もとれるようになってくると、ちゃんと
定期的にやって来るようになったので、あたしは気楽に、何も
心配していなかった。

でも、今回遅れているのは、そんな理由じゃない気がしている。
だって、ここ最近はずっと、ゴンザさんの作るバランスがよくて
おいしい食事をきちんと食べているし、睡眠時間もばっちりで、
すごく規則正しい生活を送っているんだもの。
唯一心当たりがあるのは、「身に覚えがある」ってことであって…

もし、それが原因なら、そして、もし、鋼牙がそばにいてくれたなら、
あたしは何の心配もなく、心の底から喜べるんだけど…

(もしも… もしもだよ。
 鋼牙の心があたしから離れていたとしたら…)

…怖すぎて、とてもそれ以上は考えられない。

でも、鋼牙と会えない時間が長くなれば長くなるほど(それを、言い
換えるなら、鋼牙が蒼穹ちゃんといる時間が長くなれば長くなるほど)、
嫌な考えが頭を離れない。


(そうなったら、あたしは…)


あたしは、そっと自分のお腹に手を当てて、深く大きな溜め息を
つくばかりだった。



to be continued(4へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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