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きんのまなざし ぎんのささやき

春のよい(2)

んもう、いいところで「to be continued」にしやがって…
そう思われていたみなさん、お待たせしました!

熱い夜が始まる、かも?(始まらないかも…)




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

目を大きく見開くカオルに、鋼牙はさらに追い打ちをかけるように言う。

「ああ。しかも、ゴンザの前で、だ」

(キャーッ)

カオルは頭を抱えて、声にならない叫びをあげる。
そして、恐る恐る鋼牙を上目遣いに見ながら尋ねた。

「あの… それ以外は?」

そこで鋼牙は大きく溜息をついたので、カオルはそれにビクついた。

「それ以外は…」

「それ以外は?」

そこで言葉を切った鋼牙は、勿体ぶるようにわざとゆっくり身体を起こしたので、その様子を見守るカオルの喉がごくりと鳴った。
上体を起こした鋼牙は、呆れているのかあまり表情を見せず、ちらりとカオルを見る。

「それ以外のことを何かを言う前に、さっさと部屋に引き上げさせた」

そう言った鋼牙に、カオルは安心して、はぁっと大きく息をついた。
だがすぐに、気まずそうな顔をしながら、

「ごめん…」

と小さな声で謝った。
申し訳なさそうに俯くカオルに、鋼牙は少し表情を和ませる。

「まさか、おまえがそんなことを言うとは思わなかったから、正直なところ驚いた…」

責める風ではなく、優しい声でそう言われて、カオルは余計に申し訳なくて小さく縮こまる。
恥ずかしくて何も言えないカオル。

と、次の瞬間、カオルの身体がふわりと温かいものに包まれた。
えっと思ったカオルは、鋼牙の匂いと鋼牙の体温を感じながら、彼に抱きしめられているのだとわかると、そっと顔を上げた。
鋼牙の穏やかな視線がまっすぐに注がれていて、カオルは息を飲んだ。
その視線が、今度は少し困ったようなものになり、

「勘弁してくれ」

と目の前の唇が吐息とともに呟いた。

(えっ?)

小さく開かれたカオルの目と唇。

「無防備に煽られるこちらの身にもなれ」

と責めるような目をした鋼牙から放たれ始めたフェロモンに、カオルは小さく身を震わせて動揺する。

「え、あ… いや、その…」

そんなカオルに少し意地悪な顔をして、鋼牙は尋ねた。

「どこにしてほしい?」

「へっ?」

言われたことがすぐに理解できずに、カオルは間の抜けた声をあげた。

「だから、どこがいい?」

「どこって…」

少なからずパニくるカオルに、鋼牙は目をすがめる。
その表情がたまらなく色っぽい。

(うっ… 鋼牙、自分でわかってるのかなぁ…)

思わず目をそらせるカオルの耳元に、吐息と共に下腹部がきゅうっと縮まるような声が響く。

「おかえりの、ってやつ。
 さあ、どこだ? 言ってみろ?」

思わず、囁かれた耳を手で塞いだ。
すると、鋼牙が覗き込むようにカオルに顔を近づける。

「言わないか? それなら、勝手にするぞ?」

そう言うなり、顎に手をかけられたカオルの顔が上に向けさせられ、彼女の唇が奪われた。
だが、鋼牙の熱い唇が触れたかと思うと、それはあっけなくも、すぐに離れてしまったのだ。
不意打ちのようなキスにハッとしたカオルだったが、あっという間に離れたことが無性に寂しくて、それがカオルの表情に出てしまっていた。
そんなカオルの反応を確かめた鋼牙は、一瞬だけ満足そうに口角を上げた。
が、すぐに素知らぬ振りで

「これで満足か?」

と尋ねる。
その問いに答えることもできなくて、カオルは複雑な表情を見せるばかり。

「どうした?
 どうしてほしいのか、言ってみろ?」

息がかかるほどの距離で反応を窺われていることに、カオルはどんどん冷静さを失っていく。
ついさっきまではワインに酔っていたのだが、今は鋼牙から発せられるオスの放つ色気にクラクラしていた。

息遣いが知らず知らずのうちに粗くなっていたカオルは、身体に力が入らない。
鋼牙の胸元のシャツをぎゅっと掴んで何とか耐えていたが、耳に寄せられた鋼牙の唇が、

「カオル… 言え…」

と食むように囁くと、もう観念するしかなかった。
力が入らないまま、なんとか視線を上に向け、羞恥と甘えを半々に含んだ切ない声で懇願した。

「もっと… もっと…
 ねぇ、お願い… 鋼牙の好きにして?」

鋼牙はカオルを見つめた。
ほんのり赤くなった頬に、熱っぽく潤んだ大きな瞳が情欲の炎をちらつかせて揺れていた。

(カオル…)

鋼牙は、ぎゅうっとその胸にカオルを掻き抱いた。
そして、ゆっくりと彼女をベッドに寝かせると、熱い熱いくちづけを交わす。
そのくちづけは激しさを増し、深さを増す。

やがて、チュッとリップ音を放って離れた唇の下で、荒い息に胸を上下させているカオルに鋼牙は言った。

「カオル、おまえのすべてをもらう。
 だから、俺のすべてを受け止めろ?」

その言葉に、トロンと蕩けていたカオルの目が見開かれ、すぐに恥ずかし気でとても綺麗な微笑みを浮かべられ、こくんと首が縦に振られた。





春の宵、
ワインに酔い、
愛する男に酔い…

何もかもをさらけ出して、
心のままに求めあう…

立場も役割も宿命さえも忘れて、ただひたすらに相手を欲する夜が、静かに熱く更けていく。




fin
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はい、ぬるかった~ (;^ω^)
残念ですが、あんまり「熱く」なりませんでした!
楽しみにしていた一部の皆様、申し訳ございません…

さて。
タイトルの「よい」の部分が平仮名だった理由、お判りいただけましたか?
「宵」と「酔い」を掛けてみました。
(おめぇはおっさんか! ははは…)

当初、「酔い」のほうは、アルコールによるものを想定していたんですが、書いてるうちに selfish の頭ン中の鋼牙さんが超絶フェロモンを出しまくってきまして、こんなふうになっちゃいましたっ!
あまりに暴走しちゃうと鋼牙さんが鋼牙さんでなくなるので、極力抑えてみましたが、大丈夫だったでしょうか?
そして、一部の皆様、お楽しみいただけましたでしょうか?

ぜひぜひ、みなさんの脳内で、もっとムフフな鋼牙さんも妄想してみてくださいませね~♡

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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