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きんのまなざし ぎんのささやき

片恋~カタコイ~(3)

見ず知らずの人から、いきなり告白されたら…
う~ん、どんな感じでしょうね?

それが、自分より年下で可愛い男の子だったら?
例えば、松坂桃李くんとかだったらどうです?
それはもう、嬉しいだろうな~~~


鋼牙さん!
しっかりカオルちゃんを繋ぎとめとかないと、大変なことになりますよ!(笑)




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

(えっ? えっ? え~~~っ!)

いきなりの告白に戸惑っているうちに、少年の顔がぐんぐん近づいてきた。

咄嗟のことに目をぎゅっと閉じて、顔を背け、身を固くしているうちに、
いつの間にか少年は走り去っていた。
止めていた呼吸を大きく吐いて、呼吸が正常になるにつれ、それと反比例する
ように、胸のドキドキが高まっていった。


「カオル!」

名前を呼ばれてハッと我に返ったカオルは、目の前に鋼牙がいるのを見て
驚いた。

(鋼牙!)

ザルバが何か冗談めいた口調で言い、鋼牙がそれを軽く流している。
鋼牙たちが何を話しているのか、カオルの耳には届かなかった。

(あたし、告白されちゃった!
 やだ… なんか嬉しいような、恥ずかしいような…

 でも、それを鋼牙に見られちゃったんだよね?
 いや~ん、どうしよう!)

ひとりで舞い上がっているカオルの前から、鋼牙が走り出そうとしていることに
気づいて、カオルは思わずその腕にしがみついた。

(やだ、やだ、鋼牙、行かないで!)

「鋼牙ぁ~」

この場にひとり取り残されるのが嫌で、必死に鋼牙を引き止める。
鋼牙は驚いた顔をしたが、それでも足を止めてカオルのほうに向きなおって
くれた。
そして、おもむろに口を開く。

「今のやつは?」

怖いくらいの顔で聞いてくる。

「えっと、たまに会う高校生で… 名前とかは知らない…

 この前、あの子が道で本をばら撒いちゃったんで、拾ってあげたことが
 あったわ」

『で、その高校生がなんだって?』

仏頂面の鋼牙に代わって、ザルバが聞いてきた。

「あたしのことを、その… 好きになった、って…

 親の都合でカナダに行かなきゃならなくて、その前に、告白したかった
 んだって…」

先程のことを思い出して、カオルの顔がますます赤くなる。
鋼牙のほうは、ますます苦虫を噛んだような顔になる。

『ほぉ~
 それで告白されて、ついでにキスまでしちまうものなのか?』

鋼牙にとって、言いにくいことをズバリと言うのが魔導具の嫌なところだったが、
ストレートにカオルに尋ねるザルバに、今回ばかりは感謝したくなった。

「なっ!  …してないわよぉ~  …多分…」

最初の勢いはどこにいったのか、カオルの声は、だんだん尻すぼみに
なっていく。

『んっ? したのか、してないのか、どっちなんだ?』

「だからぁ」

そこまで言うと、カオルは考え込む素振りを見せた。

「がばっといきなり来られて、きゃっとなって…」

カオルはジェスチャーゲームのように、台詞と一緒に身体も動かしながら、
先程のことを再現していく。

「多分、この辺に、その…  当たったかな? って…」

カオルは左の頬の下で唇のすぐ横の辺りを、人差し指でくるりと輪を描いて
示した。

『なんだ、やっぱり、キスはされてるんじゃないか…』

ザルバがそう指摘すると、

「でも、唇は守りました!」

とカオルはザルバに噛みつくように言った。

ふたりの会話をそれまで黙って聞いていた鋼牙は、カオルの手首を掴むと、
カオルのアパートの部屋へと歩き出した。

「ちょっ… なに?」

引きずられるようになりながら、カオルが説明を求める。
部屋の前まで来ると、鋼牙は掴んでいた手を放してカオルに言った。

「今、ゴンザに連絡する。 おまえを迎えに来るようにと。
 だから、必要なものを準備しておけ」

「はぁ?  意味がよく解らないんですけど!」

隣近所を気遣ってできるだけ小さな声で、カオルは鋼牙に抗議した。

「あの高校生が、今晩、また来たらどうするんだ?」

鋼牙は押し殺すような声でできるだけ平静を装って言った。
ただし、それはあまりうまくいっているようには見えなかったが。

「それは…」

そう言ったきり、カオルは黙った。
そして、自分の身体を抱いて心細そうなそぶりを見せた。
鋼牙が心配していることが理解できたようだった。

「だから、今晩は屋敷にいろ。
 そういうことだ」

カオルは、渋々といった感じだったが、こくんとうなづいた。

「すぐに準備するから…」

それだけを言うと、部屋の鍵を開け、荷物をまとめるために中へと消えて
いった。



しばらくして、アパートの前にゴンザの運転する車が止まった。
部屋の外で待っていた鋼牙は、ゴンザに向かって小さくうなづくと、部屋の
中に向かって声を掛けた。

「迎えが来たぞ」

「は~い」

返事をしながら、バタバタとカオルが出てきた。
手には屋敷に泊まるための荷物が詰まったカバンがひとつぶら下がっていた。
パンプスを履こうとしているカオルを見つめていた鋼牙が、いきなり、カオルの
腰を掻き抱いた。

「鋼…?」

戸惑いながら鋼牙を見上げるカオルの眼が、次の瞬間、うっとりと閉じられた。
鋼牙の熱い唇がカオルの唇を塞いでいた。

ほんの数秒のキスの後、鋼牙は短く言った。

「忘れろ」

その言葉を聞いたカオルは一瞬何のことか解らずきょとんとしたが、やがて
クスッと笑った。

(あの高校生のことを忘れろ、ってこと?)

鋼牙の腕から解放されたカオルは、そのまま何も言わずにパンプスを履き、
部屋の外に出て鍵をかけてから、ようやく、鋼牙を振り返って言った。

「じゃ、行くね。

 それから、あたし…  忘れないから!」

悪戯っ子のような笑顔を残すと、ゴンザの車へと足早に駆け出した。
後には、面白くない顔をした鋼牙がひとり残された。



ドアを開けて待っていてくれたゴンザの元まで来ると、カオルは

「お待たせして、ごめんなさい」

と言い、急いで後部座席に乗り込んだ。
ゴンザはドアを閉めると、鋼牙のほうに礼をしてから運転席に乗り込み、
車をスタートさせた。

カオルは小さくなる鋼牙を見つめながら思った。

(ヤキモチを妬いた鋼牙のこと、絶対、忘れないんだからね)

ひとりでクスクス笑うカオルに、ゴンザは遠慮がちに聞いてみた。

「カオル様? どうかされたのですか?」

カオルはニコッと笑うと、座席から身を乗り出すようにしながら言った。

「ねぇねぇ、ゴンザさん、聞いて、聞いて!
 あたしねぇ、今日ねぇ、高校生の男の子に告白されちゃったぁ~♡」

「ほぉ~、それはそれは」

「それでね…」

社内の楽しげな語らいは、屋敷に着くまで繰り広げられた。



to be continued(おまけへ)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


名前も出てこない高校生くん。
いきなりキスを迫るシチュエーションに、どうやったら持っていけるのか
ずいぶん悩んだのですが…

冷静に考えたら、一期のときの零くんとそんなに年齢が変わらないんです
よね。

そう思ったら、つい成り行きでアタックかけてもいいかなぁ~ なんて
気が楽になっちゃいました。
(ほら、零くんも一期でいきなりカオルちゃんを押し倒してるしさ…)

ご都合主義な展開ではありますが、そこはお許しを…

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コメント
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無題
こんばんは、カオルさんもてますね、それも、年下の男の子うらやましいーーい。しかし、そんな時にかぎって、鋼牙さんバッチリみてますね、もやもや、鋼牙嫉妬、かわいい、すこし大袈裟だけどそこが鋼牙らしかな、カオル忘れない、発言,鋼牙誤解するよ。意地悪しない。でチャンと説明してね。追伸鋼牙ドール注文しました、8月待ちどうしい。
かままま 2013/04/30(Tue)23:34:36 編集
Re:無題
年下の男の子いいですよね~~~(笑)
カオルちゃんなら「アリ」かな~と思ってのですが、ほら、零くんにも押し倒されてたし、ねっ!

大袈裟というのは「屋敷に行け!」っていうところでしょうか?
あ~、そうか、その部分の巻取りを忘れてる…
これだから勢いで書くとイカンです~

鋼牙ドール、楽しみですねぇ~
夏を楽しみにウキウキしている、かなまま様がまぶしい!
キラキラしてますよ!
【2013/05/01 20:38】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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