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きんのまなざし ぎんのささやき

籠る姫(3)

いよいよこの回から「リセット」した効果が出てくるはずです。
…そのはずなんですが… う~、ごめんなさい!!


なんで謝るかって?


それは読めば解ります。


だって…
その…
もう眠いんですの。



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

カオルンとともにバスルームを出た王子は、カオルンを振り返りながら
尋ねました。

「ところで、何を描いていたんだ?   …!」

カオルンを振り返った王子は驚いてしまいました。
なぜって?
それは、カオルンの様子がおかしかったからです。

先程までのカオルンとは違い、目に力がなく、手をだらりと下ろし、
身体を引きずるようにしていました。
カオルンは、そこに王子がいることにも気づかぬように、立ち止まる王子の
脇をすり抜けて、絵のほうに近づいていきます。
そう、まるで意思がない人形のように…

「バルザ、どういうことだ?」

カオルンの不振な動きについて、即座に王子は左手に嵌めている指輪に
問います。

『どうやら、カオルンは何かに心を操られているようだな。

 それが何なのか…』

「判らないのか?」

急かすように王子は問い詰めます。

『すまんな…

 だが、そいつはそんなに魔力の強くないヤツではあるらしい』

「そうか…」

それ以上のことは判らないと知ると、王子は、カオルンを注意深く観察する
ことにしました。

ふらりふらりと歩いていたカオルンは、やがて、絵の前に来るとゆるゆると
しゃがみこみ、パレットと絵筆を取り上げました。
そして、やんわり立ち上がると、焦点の定まらない目で自分の描いた絵を
見つめます。
ゆらりゆらりと視点を変えながら絵を見ていたカオルンは、絵がすでに
完成していることに気付いたのか、また同じ動作を繰り返し、今度は
先程とは逆の動きで、パレットと絵筆を床に置きました。
そして、床にペタリとしゃがみ込むと、床の一点を見つめるようにして
動かなくなりました。

その様子をうかがっていると、

『うぅん… カオルンのエネルギーがわずかずつだが、減っていってる。
 どうやらカオルンは、あぁやって少しずつエネルギーを吸い取られている
 みたいだな。

 つまり、魔力の弱いそいつは、カオルンからエネルギーを吸い取るために、
 カオルンを無気力にして食欲も睡眠欲も奪い、自分のそばから離そうと
 しないでいる…  恐らくそんなところじゃないかと俺は思う。

 魔力が弱いから、カオルンがバスルームにいるときには、操られて
 いなかった… 違うか?』

と、バルザが自分の推測を王子に告げました。
王子も、バルザの考えが合っているだろうと思いました。

そうだとしたら、今カオルンのそばにあるものの中に、’そいつ’ がいる
ことになります。

(ならば、そいつをカオルンから引き離せばいいだけだ…)

王子は、カオルンに近づきました。
そして、まずは絵を取り上げようとして、手が止まりました。

(これは…)

そこには、柔らかな森の緑を思わせるグリーンを背景に、白馬が佇み、
その白馬の首に手をかけ、馬を見ている王子の横顔が描かれていました。

王子は絵を手に取ってまじまじと見た後、カオルンを見ました。
カオルンは相変わらず身じろぎもせずに座り込んでいました。

(待っていろ、すぐになんとかしてやるから…)

王子は決意を新たにすると、その絵をテーブルの上に置きました。
カオルンを振り返ると、先程の姿勢のままです。
どうやら、この絵は ’そいつ’ ではないようです。

王子は、次にイーゼルに手を掛けました。

その時、カオルンが動きました!

王子の足にすがりつき、イーゼルを動かすのを阻止するような素振りを
示しました。

(これか…)

王子はカオルンを見下ろし、そして、イーゼルを見ました。
いくら王子でもカオルンを蹴飛ばすことはできません。

(どうすればいい… ?)

王子は迷いました。

「バルザ!」

王子はバルザに助言を求めました。
それに答えるようにバルザが呟きます。

『何でもいい、一瞬気をそらせるようなことができればいいんだが…』

「…」

少し考え込んでいた王子は、何か奇策を思いついたらしく、ザルバに
こう問いかけました。

「何か突飛なことをすればいいのか?」

『…そうだな、’そいつ’ の想定外のことでもいいだろうし、カオルンを
 驚かすことでもいいかもしれないな』

バルザの答えを聞き、王子は、イーゼルから手を放すと、カオルンの前に
ひざまずきました。
王子がイーゼルを放したので、カオルンも王子にすがりついていた腕を緩め、
力のない瞳でゆっくり王子をとらえました。

次の瞬間、カオルンの瞳に驚きの色が浮かびました。
というのも、王子がいきなりカオルンを抱き寄せたからでした。

ゆらゆらと揺れていたカオルンの瞳に、だんだん力が戻りつつあります。
王子は抱いていた腕を緩め、カオルンの瞳を覗き込みました。
その瞳には、戸惑いの色を映しつつも、すがるような輝きが見えました。

その輝きを認めた瞬間、引き寄せられるように、王子はカオルンに
口づけていました。
カオルンの唇は柔らかく、その感触が、王子に甘い痺れを感じさせました。


to be continued(4へ)
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拍手[23回]

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寸止め??
いい所で「続く」に涙しましたw
あああ、次はどうなるんですか?
宴はなんだか…卒業式みたいで少し寂しかったです。玲くんの涙が印象深かったです。
小西くんは万感…!といった感じでした。また二人に会いたいですよね!
くわい 2013/03/24(Sun)20:55:55 編集
Re:寸止め??
あぁ、すいません!
また、「焦らしプレイ」のクセが出てしまいましたwww
…というのは冗談で。 (ほんとに、違います!  …多分)

くわい様は、宴に行かれたのですね。
それでは、くわい様は卒業式に参列した「家族」のようなもんですね?
(うっ、「家族」って言ったら、玲くん思い出した…  泣いてしまう、ぐすっ)

くわい様の言う通り、また二人に会いたいです!
selfish は、再開できることを固く信じています!
【2013/03/24 21:53】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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