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きんのまなざし ぎんのささやき

誰か…

魔戒烈伝、終わった…

なかば放心状態なので、わけわからん中途半端な妄想でお許しを…



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「ここは…」

何度目かの覚醒で、カオルは辺りを見渡した。
四肢に力を入れてその場に立ち上がったが、妙に身体がフワフワとして心許ない。

「うっ…」

キーンと耳鳴りがして耳の辺りを手で抑えて顔を顰(しか)める。
目を閉じてその不快な状態が収まるのを待ってから、カオルは歩き出した。

庭で息子の雷牙と一緒にいるときに、空の一角が見る間に曇り始めたと思ったら、あっという間に巨大な黒い渦となり、カオルはその中心に吸い込まれてしまったのだ。

(雷牙…)

残してきた我が子のことを思い出すと、カオルの胸は潰されそうになる。
だが、

(あの子まで巻き込まれなくてよかった…)

と思うことにして、カオルはなんとか心の平衡を保とうとした。





目覚めては歩き、立ち止まってはうとうとと眠り、といったことを繰り返すカオル。
あるときは、見たこともない金属製の朽ちた建物を、白い砂漠が飲み込んでいる場所だったかと思えば、またあるときは、蔦のような植物に覆われた、巨大な石の建造物の中であったりした。

そんなカオルの今いる場所は、やはりとても不思議な場所だった。
ほの暗い空間にぽおっと光る氷のような柱が何本も立っていた。
その柱に触ってみても熱くも冷たくもなく、硬いのかと思えばそうではなく、少し弾力があってカオルの手をじわじわと包み込むような動きをみせる。
驚いて手を引っ込めると、へこんだ部分がやんわりと元の形状へと戻っていくのだ。
目を上へと転じると、真っ暗な中に時折金色の光が弾けて、まるで花火のような閃光を放ち、闇に消えていくという不思議な現象が起こっていた。
光が弾けたときには長く尾を引いて下へと落ちてくるのだが、カオルのいる地上までは届かずに溶けるように闇に帰っていく無音の幻想的なショーに、カオルはしばし目を奪われた。

不思議なことはそれだけではない。
カオルはここに来てから、空腹を知らず、喉の渇きも覚えないのだった。
そして、かなり歩き回ったというのに、疲れすら感じなかった。
ただ、誰にも会わず、変化のない空間にひとりでいることに言いようのない不安を感じていた。
自分がほんとに生きているのかすら確証のない不安定な状態で、正気を保っていることにどんどん自信がなくなっていく。

「あたしはカオル。冴島カオル。絵を描くのが仕事よ。
 そして、冴島鋼牙の妻…」

カオルは意識的に自分ことや家族のことを考えるようにした。

「鋼牙は魔戒騎士。黄金騎士 牙狼の称号を継ぐ人。
 ’血に染まりし者’ だったあたしを命がけで救ってくれた。
 そして、とてもとても大事な人…」

ぶつぶつと覚えている限りのことを念仏のように唱えながら足を進めているが、どう楽天的に考えても、どこかに辿りつけそうな気が全然しない。
そして、カオルの記憶も、前より不鮮明になっているように思えて、とても不安になってくる。

「ふう…」

ふいに大きな溜め息がこぼれ、泣きたい気分になってくる。
でも…
カオルは歯を食いしばり、俯きかけた顔をきっと前方に向けた。

「絶対に諦めてやんないんだからっ」

カオルは自分をこんな目に遭わせた、見えない敵に向かって言うように力強く言った。

「絶対、絶対、あの人が助けに来てくれるはず!
 そうよ、あの人が!」

そこまで言ったところでカオルは、はたと戸惑った。

「あの人、って…誰?
 誰があたしを助けに来るの?」

ざわざわと胸が騒ぐ。
一瞬、脳裏に男の顔が浮かんだようだったが、すぐにぼやけて霞んでしまう。

(そんな…)

目の前が一気に真っ白になる。
絶対に忘れることのない人のことを、まったく思い出せない自分が信じられなかった。
何度も深く深呼吸をし、心を落ち着かせようとするがうまくいかない。

  ポロッ

カオルの目から涙がこぼれた。
自然と自分の身体を抱き締めて、その場にうずくまってしまう。

(やだ! いや!)

自分の身がちぎれそうな痛みに、カオルは身悶えする。
無機質な空間に、カオルの嗚咽だけがこだましていた。





どのくらい泣いていたのだろう。
やがて、涙で頬を濡らしたまま、カオルは眠りについた。

(次に目覚めたとき、あたしはどうなっているんだろう…

 誰かあたしをここから助け出して… おね… が… い…)


fin
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えっと… 続きません!

お察しの通り、エイリスのせいで異空間に飛ばされちゃったカオルちゃんのその後です。
カオルちゃん、まだ彷徨ってます。
ええ、ええ、救われてませんったらーっ!
かわいそうなカオルちゃん…

だから、まだ助けに来てない白いコートの男のことは、忘れちゃうことにしました!
ようやく会えたとしても、「あなた誰?」って言われて、ガーン! ってなっちゃえばいいんだ!
あるいは、零くんのほうが先にカオルちゃんを見つけて、「何やってんの、おまえ?」って言われちゃえばいいんだ!

鋼牙さんのバカ、バカーッ!
早く助けに行ってあげてよー (ノД`)・゜・。

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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