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きんのまなざし ぎんのささやき

騎士と法師(3)

4日もかけて、この程度のものしか書けないのか?
自分で自分に愕然としています… (がっくり)

しかも、1日に書ける分量が短いこともあり、途切れ途切れで書いているので、
(1)や(2)からスムーズにつながらない感じです。
まったくもって、恥ずかしい仕上がりで申し訳ありません!
(週末までひっぱりたくなかった… ただ、その一念なんです)


それでも、よろしければ、ご覧くださいませ。

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魔戒法師として、素晴らしい能力と経験を持つバルドですら、表向きは
騎士と友好的に接しているものの、実際のところは、魔戒騎士に対して
複雑な思いを抱いていた。
自分の出自まで明かして、バルドがなぜ、鋼牙に問うのかは解らなかったが、
鋼牙は、自分の気持ちに一番しっくりくる言葉を選びながら答えた。

「人間は、些細なことで心に影が生じたり、闇に心を支配される…

 俺もかつて、力を望むあまり闇に落ちかけたことがあります。

 そのとき、俺は友に救われました。
 友の叫びが、俺を暗黒の淵から救ってくれた…」

鋼牙は、メシア復活のゲートにされかけたカオルを救うため、コダマとの
闘いの中で、鎧にその身を喰わせ、心滅獣身と化したときのことを
思い出していた。

「人間は弱い…
 魔戒法師も魔戒騎士も例外ではない。

 でも、人間は、過ちに気づき、自分を変えようとする力を持っている。
 光さえ失わなければ、人はいつだって変われる。

 だから…
 今、あなたの抱える闇を俺に話したのは、自分の悪しき部分に気づき、
 あなた自身がその影に向き合ったからなんだと思うのです。

 『自分を救ってよかったのか?』

 それは俺にではなく、本当は自分自身に問い掛けたのではないですか?」

鋼牙の言葉が、バルドに響いた。
深く思案するバルドに、鋼牙は静かに、そしてきっぱりとこう言った。

「あなたを救ってよかったと、俺がそう思うかどうかは関係ない。
 あなた自身が、救われてよかったと思うかどうか…
 違いますか?」



黄金騎士と言えども、ただの若造…
鋼牙に会ったばかりのとき、バルドはそう思っていた。
もちろん、そんな思いを表面的には少しも出さずに。

だが、魔戒騎士の最高位とも言える牙狼の称号を持つこの若者は、
いたずらに権威を振りかざして、魔戒法師を蔑むこともなく、
その力に溺れてスタンドプレイに走るわけでもなく、バルドの助言を
素直に受け入れて、 ’人を守る’ という使命を全うするために、
熱い情熱を内に秘め、その一方では、どこまでも冷静に闘った。

その潔い闘いぶりに触れたことで、自分の醜く凝り固まった部分を
思いがけず鋼牙に吐露してしまったバルドだったが、それでも、
長年閉じ込められていた檻から、解き放ってくれることなど少しも
期待はしていなかった。

もちろん、鋼牙の言葉に、バルドの心の棘がすっかり氷解したわけではない。
だが、この若者の真摯な言葉を聞いていると、何故、胸がざわつくのだろう?
身体の中を熱いものが駆け巡るような感覚を思えるのは、どうしてだろう?

答えは解らない。
ただ、バルドは、ひさびさにとても清々しい気持ちになった。

「わしは…
 お前さんにこの命を救ってもらい、ほんとによかったと、心から
 そう思えるように、これからも精進しますぞ。

 こんな気持ちになったのは絶えて久しいのぉ。
 ほっほっほっ、なにやら、とても嬉しくなってきおった。

 お前さんには、これ、このとおり、感謝いたしますぞ」

そう言うと、バルドは鋼牙に対して深々と頭を下げた。

「俺は何も…」

老練な魔戒法師から頭を下げられた鋼牙は、うまい言葉も見つからず、
中途半端に答えただけだった。
そんな鋼牙に対して、バルドは少し余裕を取り戻した。

「ところで…
 使途ホラーはこれで7体全部倒したのじゃろう?
 だったら、次の場所へ急いで移動する必要もないのぉ。

 使徒ホラーを見事倒したお前さんに、霊獣の姿でも拝ませたいと思うが、
 どうじゃな?

 明日、この辺りをちょうど通るんじゃが、滅多に見れるものではないぞ?」

多くの人を犠牲にしてきた使途ホラーを倒してくれた鋼牙への礼も込めて、
バルドはそんな提案をした。

『鋼牙、霊獣はそれは美しく、不思議な力を持つ生き物だ。
 どうする、見てみるか?』

ザルバが鋼牙に聞いた。

「霊獣を見た者には、大事な人の姿が見えるとも言われとるが…

 なぁに、1日くらい帰るのを遅らせたとて、元老院は文句も言わんじゃろう。
 ぜひ見ていってはどうかの?」

重ねて勧めるバルドの言葉だったが、鋼牙は心を決めた。

「ありがとうございます。
 ですが、この足で帰ります。
 あなたには本当に世話になりました」

鋼牙は頭を下げた。

「それはまた…」

残念そうに表情を曇らせたが、ふと思い当たったことがあった。

「お前さんは、確か、’血に染まりし者’ を救ったとか…

 そうか…
 大切な人が、お前さんの帰りを待っておるのじゃな?」

「…」

鋼牙はどう答えようか躊躇した。

『なんだ、鋼牙。
 一刻も早く帰って、カオルに会いたいのか?』

「ザルバっ!」

鋼牙は慌ててザルバを制したが、遅かった。

「ほほう、霊獣なぞに頼らんでも、お前さんには大切な人が誰だか
 はっきりしとるんじゃな。

 ほっほっほっ
 それでは、無理に引き留めぬことにしようかのぉ」

にこやかに微笑んだバルドは、次の瞬間、表情を引き締めた。

「黄金騎士よ、お前さんは強い。
 強いからこそ、これから、さらなる困難がお前さんにふりかかるやもしれん。
 じゃが、お前さんが光を絶やさずに持ち続ければ、おのずと活路も
 開けようぞ。

 わしは、この最果ての地で、できるかぎりのlことをやりますでな。
 お前さんも達者でな」

鋼牙はただ、大きくうなずいた。

『爺さん、お前さんはまだまだ当分元気で長生きしそうだぜ。
 また、いつか会おう!』

代わりにザルバが話しかける。

「ありがとよ。
 お前も、この男のために精一杯働いておくれ」

バルドが魔導輪に返事をした。

『あぁ、任せときな、爺さん!』

ザルバとバルドの会話が終わるのを待ち、鋼牙が最期の挨拶をした。

「では、行きます。
 本当にありがとうございました」

鋼牙は、深く頭を下げた。
バルドと視線を交わしてから、ひらりとコートを翻し、真っ直ぐ振り返らず、
最果ての地を後にした。

バルドは、夜明けを迎えようとする東の空を振り仰いだ。

(わし自身が、救われてよかったと思うかどうか… か。
 この年にして、難題をもらったもんじゃ)

今日という日の最初の光が、カオルという光を目指して遠ざかる鋼牙の姿を
きらきらと照らし始めた。
その背を見送りながら、バルドは心の中で静かに礼を言った。

(冴島鋼牙… ありがとう…)



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


カオルより一足先に霊獣の姿を鋼牙に見せたらどうだろう?
という妄想のつもりで書き始めたのですが、結局、鋼牙は霊獣を見ずに
帰って行きました。

魔戒法師のほとんどは、騎士のことを快く思っていないのでしょうね。
でも、鋼牙の言葉がちょっとでも響いてくれるといいな~ ということで
書いてみました。

書いてみましたが…  う~ん、鋼牙、喋りすぎ!
他にもいろいろダメ出しありますが、今はこれが精一杯!
書き逃げいたしまする~~~  (苦笑)

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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