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きんのまなざし ぎんのささやき

Be happy!(2)

さぁ、(昨日から見て)明日の自分です!
頑張ります! (ムンッ)

さて、亜佐美ちゃんデス!
彼女のなんとなくたどたどしい感じのする演技…
最初のうちは、見ていてハラハラしたのですが、今となっては、それが
逆に彼女の ’味’ ですね。
亜佐美ちゃんが「カオル⤴」と呼びかけるときの、「ル⤴」の感じが、
実は、とっても可愛いなぁと思ってます。

久し振りの再会で、どうなることやら…

今回から舞台は、あのポートシティ!
あぁ、いつかロケ地を巡ってみたいなぁ~



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「亜佐美~っ」

きれいに巻かれた髪を肩先で弾ませながら、カオルがこちらに向かって
走ってくる。

「カオル! 遅いっ!」

ポートシティにある公園の噴水のそばで、私は、少し大きな声で言った。

(まったく、あんたは時間どおりに来た試しがないんだからぁ~)

言葉とは裏腹に、カオルが近くまで来るのを、私はニコニコと笑いながら
待っていた。

私、篠原亜佐美が、親友のカオルと最後に会ったのは、絵の勉強のために
彼女がイタリアに留学する直前のことだった。
あれから、あっという間にいくつも季節が過ぎていた。



「ごめん、ごめん。
 この町もいろいろ変わっちゃってて、あちこち見ながら来たらすっかり
 遅くなっちゃった」

目の前に来たカオルが、弾む息を整えながらそう言った。

「久し振りだね、カオル。
 元気だった?」

「うん、元気、元気!」

「もう、あんたったら、ちっともこっちに顔出さないんだからぁ」

「ごめ~ん!
 あれから、あたしなりにいろいろ忙しかったんだってばぁ」

話したいことはいろいろあった。
でも、慌てることはない。時間はいっぱいある。
明日は休みだし、今日は無理を言って、半日であがらせてもらうことに
したから…

「さぁ、カオル。
 今日は、とことん、付き合ってもらうからね!」

「あははは。
 お手柔らかにね、亜佐美」



久し振りに会うカオルは、変わっていないところもあったけど、やっぱり
ほんの少し変わった感じもする。
それは、あたしもそうだろうし、この町、ポートシティだって同じだ。

「どこか行きたいところ、ある?」

カオルにそう聞いてみたら、

「そうねぇ…」

と、少し考えて、

「あっ、あそこ!
 あたしが初めて展示会を開こうとしていた画廊!

 あそこに行ってみたいなぁ~」

と、カオルは、あたしを振り返って言った。

「ふふふ、いいわよ」

意味深に笑いながら、私はカオルの腕を取ると、彼女をその場所へと
導いた。



まるで古代ギリシャの神殿のような中央に膨らみのある柱を配した、
特徴的なバルコニーのある白い建物が見えてくると、カオルは、
わぁ、と声にならない声を発した。
懐かしそうな微笑を浮かべている彼女の横顔を眺めて、私も同じように
微笑む。
でも、その場所に一歩一歩近づくにつれて、彼女の表情から少しずつ
笑顔が消えていく。

そして、いよいよエントランスの目の前まで来たとき、カオルは、
私の方に振り返って行った。

「亜佐美、これって…」

呆けたように尋ねるカオルに、私はニコニコと笑って言った。

「ふふっ、驚いたでしょ?
 そうなの。 ここ、もう画廊じゃないんだよ。

 中にはカフェもあるの。
 とにかく、中でお茶でもしながら話そうか」

私はそう言うと、まだ驚いているカオルの背中を押して中に入った。



カオルは席に着くまでも、そして着いてからも、あちこちをキョロキョロ
眺めていた。
その様子を見ながら、

「どう?
 カオルの知っている画廊の面影とかある?」

と聞いてみた。

「うん、内装はそんなに変わってない気がするけど…
 でも、雰囲気は全然違う感じがする」

そう言って、カオルは微妙な笑みを浮かべた。

「やっぱり、寂しい?
 知ってる場所が変わっちゃうのって」

「そうだね…
 ここは、思い入れのあった場所だったから、やっぱり、ちょっとね…」

「そっか…」

最初のうちは、そんな感じでしみじみしちゃったけど、オーダーした
飲み物が届いた頃から、昔のことや今現在のことなど、脈絡もなく
思いつくままに喋り出したら、カオルの顔にも笑顔が戻ってきた。



「でさ、その後、そいつ、なんて言ったと思う?」

「さぁ…」

「『ママに聞いてみるね』だって!」

「えぇ~っ なにそれ!」

「そんなことぐらい、自分で決めろ、って思わない?」

「ほんとだよぉ」

「IT関係の会社を興したヤリ手社長だって言うから期待したのに…
 まったく散々だったわ」

こんな調子で話していたら、時間なんてあっという間に過ぎていった。
ここでそうやってても時間がもったいないから、

「明るいうちに、カオルの次の場所に行こうよ」

と持ち掛けて、私たちはカフェの席を立つことにした。



カオルのリクエストの場所は、いろいろあった。

自分が住んでいた場所。
カオルの手料理で食あたりを起こした私が入院した病院。
バイトしたという遊園地。
カオルのお父さんの描いた壁画のある幼稚園。

とてもじゃないが回り切れないので、

「どれか1カ所にして!」

ってことになった。

「う~ん」

カオルが迷いながらも決めたのは…



「えっとぉ~、確かこの辺だったと思うんだけど…」

先を歩くカオルが、記憶を頼りにキョロキョロしながら歩いていく。
少し遅れて後ろを歩く私は、そんな彼女を見てた。

「カオル、危ないよっ」

私は数歩駆け寄ると、カオルの右手を掴み、ぐいっと引いた。
道にはみ出すように出されていた看板にぶつかりそうだったカオルを、
すんでのところで食い止めた。

「うわっ! びっくりしたぁ~

 ありがと、亜佐美!」

夢中になっている彼女は、ほんとに回りが見えない。

(学生時代から変わらないなぁ…)

嬉しいような困ったような複雑な心境になって、微妙な笑顔になる。



それから10分ほど歩いただろうか。
なんということのない道で、カオルは急に立ち止まった。
ゆっくりと辺りを確認して、

「ここだ…」

と、つぶやいた。

「ここ?
 特になんにもないけど…」

怪訝そうな顔でそう言う私に、カオルはクスっと笑うと、左手を手の甲が
上になるように持ち上げると、まるで見えない指輪でも触るように、
右手で左手の中指を触った。
その様子を見ながら、

(あぁ… カオルにはカオルの、私の知らない思い出が、きっとここに
 あるんだね)

と、気がついた。



to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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