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きんのまなざし ぎんのささやき

Be happy!(5)

本家様では全く絡みのなかった亜佐美ちゃんと零くん。
どういう話をするんだろうな、と、亜佐美ちゃんという人を振り返る目的で、
またまた飽きもせず、1期のDVDを見てました。
(何回、見てんねん! って感じです。 笑)

第2話「陰我」では、「お金が20倍になる話」をカオルちゃんに教えちゃう
亜佐美ちゃん。

軽そうに見える彼女ですが、自分ではその話に乗らないところを見ると、
案外、手堅い経済観念を持っているのかも?

…いやいや。
遊ぶのに使っちゃって、利殖に回すお金がないってだけか? (笑)




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「えっと、零くんは、カオルが元々この町にいたことは知ってるの?」

「あぁ。
 俺たちはこの町で知り合ったからね」

「そうなんだ…

 じゃあさ、何年か前にカオルがイタリアに留学したでしょ?
 実は私たち、あのときから一度も会ってなかったのね…」

私は、そう話しながら、ベッドですやすや眠るカオルをちらっと見た。
そして、今夜、カオルとの間に何があったのかを、零くんに話し始めた。




零くんと会う1~2時間前。
ポートシティのとあるバーの片隅で、私とカオルは話に花を咲かせていた。
会わなかった時間の分を取り戻すように。

いろいろ話をしていくうちに、どうやらカオルには好きな男がいる、って
いうことが判った!

普通、そんな男が出来たなら、人が「聞きたくない!」と言ったって
ベラベラ喋るのが普通じゃないだろうか?
でも、カオルは違った。
なんだかワケアリって感じで、口が重い。
でも、心の中にはモヤモヤが溜まっていて、それを吐き出したい、
誰かに聞いてほしい、ってことは見ていてすぐにわかった。
そりゃあ、カオルとは付き合いが長いもん!
そのくらいわかるわよぉ~


それにしても、なんで、喋りたがらないんだろう?


相手が妻子持ちなんだろうか?
あるいは、堅気な商売じゃないとか?
ひょっとしたら、肌の色が違うとか?


とにかく、私で力になれるならば、なんとかしてあげたい!
それには、まず話を聞きださなきゃ!


そんなふうに思ったのは自然の流れってもんじゃない?

そうねぇ、話をしやすくするには…  お酒、かな?
よし、それがてっとり早いよね、ってことで、口当たりのいいカクテルを
カオルのためにオーダーした。

「これ、おいしいんだよぉ~」

そう言って勧めたら、

「へぇ~」

と言って一口飲んだカオルは、どうやらそれが気に入ったらしくあっと
言う間にクイクイと飲み干した。

落ち着いた店の雰囲気と、甘いカクテルの酔いとがうまく作用したのか、
案の定、カオルの口が少しずつ軽くなってきた。
だんだん呂律が怪しくなりながら、だけど。



「あたしね、好きな人がいるんだぁ」
(お!)

「その人もね、あたしのことを ’必要だ’ って思ってくれてるの」
(やったじゃん!)

「でもね。 今、その人、仕事の都合で遠いとこに行ってて…
 離れ離れになってるんらお」
(え~っ!)

「’必ず戻る’ って約束してくれたんらけどね。
 その仕事ってさ、なんらかとっても難しいらしくって、帰る予定なんて
 立てらんないみたいなんらぁ~」
(なにそれ~っ!)

「それにね、その仕事中って、全然連絡がつかないんらお。
 ほんっっっとに、ぜんっっっぜんなんらぉ~~~」
(うそでしょ~っ!)


状況が解った時点で、もう飲むのはストップさせたかったんだけど、
この頃になると、それを止めることが難しくなっていた。
でも、グラスを口に運ぶのもやめなかったけど、話すこともやめることも
なく、カオルは今の正直な気持ちを語っていった。
ほんとにいろんなことを…


再び、会えるかどうかもわからない日々。
会えたとしても、ふたりの気持ちに変わりがないことの保証などない。
会えない日々を重ねるごとに、やっぱり不安になってしまうのだ、と。
一生懸命描いた絵本が出版され、誰よりも彼に「がんばったな」と
言ってもらいたかったのに、それも果たされないまま。
出版社からは、「すぐにでも次の作品を」と打診されているものの、
返事を伸ばし伸ばしにしているのだとも言った。
せっかくのチャンスなんだし、がんばらなきゃ、と思うものの、なんだか
力が出ないのだと。
遠く離れた場所でひとりでがんばっている彼のためにも、と考えてみるが、
そう思えば思うほど苦しくて何も手につかなくなる…



「なんだろね?
 画家になるのが夢らったのにね」

「…」

「部屋にひとりでいるとれ、気付いたら泣いてたりしてるんだぁ~
 可笑しいれしょ?」

何も答えてあげられない私のことなど意に介さず、カオルはケラケラと
笑って言った。
そうかと思えば、突然、半分泣きべそをかいたような顔になり、そのまま
カオルはカウンターに伸びてしまった。

「もう、無理らおぉ~」

むにゃむにゃと寝言のようにそう呟き、やがてカオルが静かになった。
無理だ、と言ったのは、もう飲めない、ということなのか、はたまた別の
意味なのかは、私には判らなかった。




「…と、酔いつぶれたカオルを連れて、その店を出たところで、零くんと
 会った… というわけ」

カオルが酔いつぶれた経緯を零くんに話し終えて、私が彼を見ると、
彼は無言で何かを考え込んでいた。
腕組みしながら、右手を顎に当て、伏し目がちにしている彼の様子を、
私も黙って見守った。

もちろん、カオルが私に吐露したことを、零くんにありのまま伝える
ようなことはしていない。
話の内容が、カオルのプライベートなことで、しかも、デリケートな
内容でもあるからだ。
親友の私が相手だから話してくれたことを、他の人にベラベラ喋るほど
私は無神経な女じゃない。
だから、零くんにも経緯が解る程度にしか話さなかった。
だけど、零くんは頭のいい子みたいだから、きっと、これだけでも十分
わかってくれたんじゃないかな?



しばらくして、彼が、組んでいた手をほどいた。

「うん、大体のことはわかったよ。
 そうだね、今夜くらいは仕方ないよね」

それを聞いて、私はなんだか少しほっとした。

「うん…  今夜くらいは、ね?」

ま、しょうがないね、とでも言いたげに、彼は肩をすくめてから、
こう言った。

「そんじゃ、まぁ、とりあえず、俺たちはそろそろ引き上げようか?
 カオルちゃんはこのまま朝まで寝ちゃうだろうし、これ以上ここに
 いても、俺たちにできることもないし…」

「そうね」



カオルの部屋を後にした私たちは、フロントに一声かけてから、ホテルの
外に出た。
零くんは

「送っていくよ」

と言ってくれたが、

「大丈夫、さっきフロントでタクシー頼んだから」

と答えて、ホテルの前で別れることにした。

「きっと、明日はカオルちゃん起き上がれないね」

「そうね。
 私、明日は仕事が休みだから、カオルに1日中、付き合うつもりだったん
 だけど…
 多分、ホテルの部屋でダラダラとおしゃべりしながら過ごすことに
 なりそうだわ」

そう言って、私は溜め息混じりに苦笑した。

「そっか。 俺は明日も仕事があるけど…

 合い間にでも顔出せたら、出そうかな?」

独り言のように言う彼に、

「カオルにそう伝えとくわ」

と答えると、

「ま、仕事次第だから、期待しないで、って言っといて。
 それじゃ」

と彼は笑って答えると、明るい表通りではなく暗い路地のほうへと歩き
出した。

「うん… またね」




しばらくして、ホテルの前にタクシーが止まった。
後部シートに滑り込み、行先を告げると、タクシーは静かに走り出した。

窓の外を、ポートシティの街の明かりが駆け抜けていく。
それをぼんやり見送りながら、私は、涼邑零という青年のことを考えていた。




ねぇ、カオル?
あんたの好きな人って零くんじゃないの?

だったら、カオル。 この町に戻っておいでよ。
ずっと、零くんのそばにいればいいじゃん。



to be continued(6へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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