きんのまなざし ぎんのささやき
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Be happy!(6)
いいのかな?
今後の展開を、「明日の自分」への宿題としながら書き続けてます。(笑)
何も決めずに、その場にいる登場人物に話の流れを委ねてきましたが、
そろそろ、決めないと…
「今日の自分」よ、牙んば狼~! (お~っ!)
今後の展開を、「明日の自分」への宿題としながら書き続けてます。(笑)
何も決めずに、その場にいる登場人物に話の流れを委ねてきましたが、
そろそろ、決めないと…
「今日の自分」よ、牙んば狼~! (お~っ!)
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(うっぷ…)
今、あたしは、ひどく打ちのめされたようなサイテ~な気分の中にいる。
朝、目覚めた瞬間。
見慣れない部屋の様子に戸惑ったのはほんの一瞬のことで、込みあげてくる
不快感と、激しい頭痛とが同時に襲ってきて愕然とした。
ベッドに横になっている以外何もしたくない。
ううん、そうしていても、不快な症状はちっとも治まらない。
(あ、そっか… これが二日酔いってもンなんだ…)
ズキズキするこめかみを押さえながら、そんなことを思った。
こんな調子じゃ、とても起き上がることなんてできやしない。
トロトロまどろみながら、不快な波が襲ってくると目を覚まし…
そんなことを繰り返すうちに、どんどん時間が過ぎていった。
何度目かのまどろみの中、携帯が鳴って、あたしは目を覚ました。
(ううっ…)
敏感な状態の頭に、携帯の音は凶器以外の何者でもないということが
思い知らされた。
音のするほうに手を伸ばして、やっと届いたソレを引き寄せる。
「はい…」
掠れた声で応答すると、
「あ、カオル? おはよう。
気分はどう? 大丈夫?」
亜佐美の元気な声が、グワングワンと脳を揺さぶる。
「…亜佐美。
ちゃんと聞こえてるから、もう少し小さい声で… お願い…」
消え入りそうな声で、なんとか頼み込んだ。
「あ、そっか。 ごめ~ん」
亜佐美は声を格段に小さくしてくれたが、それでも、頭にジンジンと
響いてくる。
「ね、欲しいものとかない?
多分、なんにも食べれないよね?
あ、フロントに行って、スポーツドリンクとか持ってきてもらう?」
「亜佐美ぃ~」
なんて気の利く友達を持ったんだ!
あたしは冗談でなく泣きそうになった。
「うん、何か飲み物が欲しい。
喉、カラカラなんだぁ」
「そうだよね。
あと、部屋の掃除とかもしないように言っとくから、とりあえず、
今日はゆっくり寝てなさいね」
「うん、ありがと…」
「また、午後になったら電話するから。
あ、それと、あとから顔は出そうと思ってるけど、なんかあったら、
いつでも電話して。 すぐに行くから!」
「亜佐美ぃ~」
頼り甲斐のある友達のありがた~い言葉に感激して、あたしはもう言葉に
できなかった。
亜佐美からの電話を切った後、10分ほどでフロントから電話がかかり、
部屋にスポーツドリンクと二日酔いの薬が届けられた。
ガブガブとスポーツドリンクを飲み、薬を飲んでしばらくすると、薬が
効いてきたのか、吐き気が少し解消されたので、あたしはそのまま深い
眠りに落ちることができた。
午後遅くなってから、亜佐美がやってきた。
さっきまでしんと静まり返っていた部屋が急にざわめく。
亜佐美の声や、亜佐美が動くことで起こるちょっとした振動が、見事に
全部、あたしの頭に響いてくるけど、それでも、友人の来訪にほっと
しているのも真実だった。
「あ~、やっぱり、昨日のことは覚えてないんだねぇ」
ようやく亜佐美がベッド脇に落ち着き、なんだかんだと他愛のない話を
しばらくした後、亜佐美が溜息混じりにそう言った。
「じゃあさ、涼邑零ってコが来て、助けてくれたことも覚えてない?」
「え~っ! 零くんが?」
あんまり驚いて叫んでしまったので、叫んだ後、いててて… と頭を
抑える羽目になってしまった。
「亜佐美、零くんと会ったの?」
「会ったもなにも…
あんたが酔っぱらって道端にしゃがみこんでしまったから、私が途方に
暮れていたと思いなさい。
そこにサッと現れて、あんたをお姫様抱っこしたかと思うと、タクシーに
乗っけてホテルまで運んでくれたのが、他ならぬ彼なのよ!」
身振り手振りを交えて亜佐美が説明してくれた。
自分のことじゃないくせに、なぜだか自慢げに胸まで張っている。
いや、この際、そんなことはどうでもいい。
「やだ… そんなことが?
…う~ん、だめ。全然思い出せない…」
何とか思い出そうと、うんうん唸りながら考えているあたしを、亜佐美は
じと~っという感じで見つめている。
しばらくして、亜佐美がとても低い声で聞いてきた。
「ねぇ、カオル。
あんた、零くんに会いたかった?」
意味深にそんなことを聞く亜佐美を訝(いぶか)しみながらも、あたしは
おずおずとうなずいた。
「そ、そりゃあ…」
すると、亜佐美の深刻な顔が一転して、とてもにこやかな顔になった。
「ふ~ん、そっか。 やっぱりね…」
なんだか、しきりにうなずきながら、ふふふ、と笑っている亜佐美が
気持ち悪い。
「やっぱりね、って何よ。
なんか変なこと考えてそうで、不気味なんだけど…」
眉をしかめるあたしに、亜佐美は、ぐいっと近づいて小声で言った。
「カオルさ。
あんたの好きな男って… 零くんなんじゃないの?」
「…」
あたしの頭の中で、亜佐美の言った言葉がぐるぐる回る。
あんたの好きな男って、零くんなんじゃないの?
あんたの好きな男って、零くんなんじゃないの?
あんたの好きな男って、零くんなんじゃ…
「なーっ…」
本日2度目の驚きは、さっきの比じゃないくらいに驚いた。
あんまり驚き過ぎて半端ない頭痛に襲われ、両手で頭を抱えて耐える羽目に
なったくらいだ。
「いたたた…」
「ちょっと、大丈夫?」
心配する亜佐美に応えることもできず、しばらく痛みに耐えた後、喘ぎ
喘ぎ、亜佐美に反論した。
「なに言ってんのよ…
零くんとは、そんなんじゃないってば…」
「またまた~
恥ずかしがって隠さなくてもいいじゃない?」
亜佐美ったら、あたしの否定の言葉を全然信じてくれずに、にやにや
しながらそう言った。
あたしは、ブンブンと首を振りかけて、再び頭を抱える。
(うう…
別の意味でも、頭が痛い…)
あたしが痛みで喋れないのを無視して、亜佐美は話し続ける。
「だって、昨日、カオルはあたしに言ったじゃない。
カオルには好きな人がいてぇ~
どうやら相思相愛っぽくてぇ~
だけど、今は仕事で離れ離れになっててぇ~
そんでもって、昨日、零くんと会ったとき、大好きぃ~、ってカオルが
抱きついてたじゃない?
ほら。
零くんがカオルの相手、ってことに間違いないでしょ? ねっ?」
自分の推測を信じて疑わず、さぁどうだ、と言わんばかりの亜佐美。
でも、ここはちゃんと言わないと!
「あのね、亜佐…」
そのときだ。
コンコン
あたしの言葉を遮るように部屋のドアがノックされた。
「あれ? なんだろう?
私、出るね」
そう言うが早いか、亜佐美はさっさとドアへと向かった。
「…」
反論のチャンスを失ったあたしは、苦虫を噛んだような顔をして、亜佐美が
戻ってくるのを待った。
ガチャ
亜佐美がドアを開けた気配がする。
「まぁ!
どうぞ、どうぞ、入って!」
相手の声はくぐもっていて、よく聞き取れない。
「いいから、いいから!
さぁ、どうぞ!」
(ちょっともう、亜佐美ったら!
勝手に誰でも部屋に入れないでほしいんだけど!)
少しイライラしてそう思ったあたしの前に、まず、亜佐美が姿を見せた。
「カオル~
あんたの今一番会いたい人だよ」
(えっ…)
あの人であるはずがない、と思いつつ、勝手に胸がドキドキした。
to be continued(7へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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