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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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Be happy!(6)

いいのかな?
今後の展開を、「明日の自分」への宿題としながら書き続けてます。(笑)

何も決めずに、その場にいる登場人物に話の流れを委ねてきましたが、
そろそろ、決めないと…

「今日の自分」よ、牙んば狼~! (お~っ!)



拍手[24回]



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

(うっぷ…)

今、あたしは、ひどく打ちのめされたようなサイテ~な気分の中にいる。

朝、目覚めた瞬間。
見慣れない部屋の様子に戸惑ったのはほんの一瞬のことで、込みあげてくる
不快感と、激しい頭痛とが同時に襲ってきて愕然とした。
ベッドに横になっている以外何もしたくない。
ううん、そうしていても、不快な症状はちっとも治まらない。

(あ、そっか… これが二日酔いってもンなんだ…)

ズキズキするこめかみを押さえながら、そんなことを思った。
こんな調子じゃ、とても起き上がることなんてできやしない。
トロトロまどろみながら、不快な波が襲ってくると目を覚まし…
そんなことを繰り返すうちに、どんどん時間が過ぎていった。
何度目かのまどろみの中、携帯が鳴って、あたしは目を覚ました。

(ううっ…)

敏感な状態の頭に、携帯の音は凶器以外の何者でもないということが
思い知らされた。
音のするほうに手を伸ばして、やっと届いたソレを引き寄せる。

「はい…」

掠れた声で応答すると、

「あ、カオル? おはよう。
 気分はどう? 大丈夫?」

亜佐美の元気な声が、グワングワンと脳を揺さぶる。

「…亜佐美。
 ちゃんと聞こえてるから、もう少し小さい声で… お願い…」

消え入りそうな声で、なんとか頼み込んだ。

「あ、そっか。 ごめ~ん」

亜佐美は声を格段に小さくしてくれたが、それでも、頭にジンジンと
響いてくる。

「ね、欲しいものとかない?
 多分、なんにも食べれないよね?
 あ、フロントに行って、スポーツドリンクとか持ってきてもらう?」

「亜佐美ぃ~」

なんて気の利く友達を持ったんだ!
あたしは冗談でなく泣きそうになった。

「うん、何か飲み物が欲しい。
 喉、カラカラなんだぁ」

「そうだよね。
 あと、部屋の掃除とかもしないように言っとくから、とりあえず、
 今日はゆっくり寝てなさいね」

「うん、ありがと…」

「また、午後になったら電話するから。
 あ、それと、あとから顔は出そうと思ってるけど、なんかあったら、
 いつでも電話して。 すぐに行くから!」

「亜佐美ぃ~」

頼り甲斐のある友達のありがた~い言葉に感激して、あたしはもう言葉に
できなかった。



亜佐美からの電話を切った後、10分ほどでフロントから電話がかかり、
部屋にスポーツドリンクと二日酔いの薬が届けられた。

ガブガブとスポーツドリンクを飲み、薬を飲んでしばらくすると、薬が
効いてきたのか、吐き気が少し解消されたので、あたしはそのまま深い
眠りに落ちることができた。




午後遅くなってから、亜佐美がやってきた。
さっきまでしんと静まり返っていた部屋が急にざわめく。
亜佐美の声や、亜佐美が動くことで起こるちょっとした振動が、見事に
全部、あたしの頭に響いてくるけど、それでも、友人の来訪にほっと
しているのも真実だった。



「あ~、やっぱり、昨日のことは覚えてないんだねぇ」

ようやく亜佐美がベッド脇に落ち着き、なんだかんだと他愛のない話を
しばらくした後、亜佐美が溜息混じりにそう言った。

「じゃあさ、涼邑零ってコが来て、助けてくれたことも覚えてない?」

「え~っ! 零くんが?」

あんまり驚いて叫んでしまったので、叫んだ後、いててて… と頭を
抑える羽目になってしまった。

「亜佐美、零くんと会ったの?」

「会ったもなにも…

 あんたが酔っぱらって道端にしゃがみこんでしまったから、私が途方に
 暮れていたと思いなさい。
 そこにサッと現れて、あんたをお姫様抱っこしたかと思うと、タクシーに
 乗っけてホテルまで運んでくれたのが、他ならぬ彼なのよ!」

身振り手振りを交えて亜佐美が説明してくれた。
自分のことじゃないくせに、なぜだか自慢げに胸まで張っている。
いや、この際、そんなことはどうでもいい。

「やだ… そんなことが?

 …う~ん、だめ。全然思い出せない…」

何とか思い出そうと、うんうん唸りながら考えているあたしを、亜佐美は
じと~っという感じで見つめている。
しばらくして、亜佐美がとても低い声で聞いてきた。

「ねぇ、カオル。
 あんた、零くんに会いたかった?」

意味深にそんなことを聞く亜佐美を訝(いぶか)しみながらも、あたしは
おずおずとうなずいた。

「そ、そりゃあ…」

すると、亜佐美の深刻な顔が一転して、とてもにこやかな顔になった。

「ふ~ん、そっか。 やっぱりね…」

なんだか、しきりにうなずきながら、ふふふ、と笑っている亜佐美が
気持ち悪い。

「やっぱりね、って何よ。
 なんか変なこと考えてそうで、不気味なんだけど…」

眉をしかめるあたしに、亜佐美は、ぐいっと近づいて小声で言った。

「カオルさ。
 あんたの好きな男って…  零くんなんじゃないの?」

「…」

あたしの頭の中で、亜佐美の言った言葉がぐるぐる回る。

あんたの好きな男って、零くんなんじゃないの?
あんたの好きな男って、零くんなんじゃないの?
あんたの好きな男って、零くんなんじゃ…

「なーっ…」

本日2度目の驚きは、さっきの比じゃないくらいに驚いた。
あんまり驚き過ぎて半端ない頭痛に襲われ、両手で頭を抱えて耐える羽目に
なったくらいだ。

「いたたた…」

「ちょっと、大丈夫?」

心配する亜佐美に応えることもできず、しばらく痛みに耐えた後、喘ぎ
喘ぎ、亜佐美に反論した。

「なに言ってんのよ…
 零くんとは、そんなんじゃないってば…」

「またまた~
 恥ずかしがって隠さなくてもいいじゃない?」

亜佐美ったら、あたしの否定の言葉を全然信じてくれずに、にやにや
しながらそう言った。
あたしは、ブンブンと首を振りかけて、再び頭を抱える。

(うう…
 別の意味でも、頭が痛い…)

あたしが痛みで喋れないのを無視して、亜佐美は話し続ける。

「だって、昨日、カオルはあたしに言ったじゃない。

 カオルには好きな人がいてぇ~

 どうやら相思相愛っぽくてぇ~

 だけど、今は仕事で離れ離れになっててぇ~

 そんでもって、昨日、零くんと会ったとき、大好きぃ~、ってカオルが
 抱きついてたじゃない?

 ほら。
 零くんがカオルの相手、ってことに間違いないでしょ? ねっ?」

自分の推測を信じて疑わず、さぁどうだ、と言わんばかりの亜佐美。
でも、ここはちゃんと言わないと!

「あのね、亜佐…」

そのときだ。

 コンコン

あたしの言葉を遮るように部屋のドアがノックされた。

「あれ? なんだろう?
 私、出るね」

そう言うが早いか、亜佐美はさっさとドアへと向かった。

「…」

反論のチャンスを失ったあたしは、苦虫を噛んだような顔をして、亜佐美が
戻ってくるのを待った。

 ガチャ

亜佐美がドアを開けた気配がする。

「まぁ!
 どうぞ、どうぞ、入って!」

相手の声はくぐもっていて、よく聞き取れない。

「いいから、いいから!
 さぁ、どうぞ!」

(ちょっともう、亜佐美ったら!
 勝手に誰でも部屋に入れないでほしいんだけど!)

少しイライラしてそう思ったあたしの前に、まず、亜佐美が姿を見せた。

「カオル~
 あんたの今一番会いたい人だよ」

(えっ…)

あの人であるはずがない、と思いつつ、勝手に胸がドキドキした。



to be continued(7へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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