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きんのまなざし ぎんのささやき

Be happy!(9)

はい、今日も頑張った selfish です。
ひどくノロい更新で、ご迷惑をおかけしております、デス。

あんまりノロ過ぎて、前の文章と次の文章がつながっているんだか、とても
心配です。
ただし、今回1人称がいろいろ変ってますので、それが逆によかったかも。
(文章の調子が多少違っていても目立たないという… 苦笑)

では、今日の selfish の頑張りを、その目でご確認くださいませ♡





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俺がホテルのカオルちゃんの部屋から引き揚げようとしたとき、二日酔いで
ダウンしているカオルちゃんの代わりに、亜佐美というカオルちゃんの友達が
ドアのところまで見送りに出てくれた。

「今日はわざわざありがとうね、零くん」

「いえいえ」

ドアを開けて振り返り、微笑みながら俺は答えた。

「それと… カオルとの仲のこと、変に誤解しちゃってごめん」

お姉さんがちょっと肩をすくめて謝った。

「ははは、それは俺も悪いんだって。
 ちょっと意味深なこと言っちゃったし…
 うん、ほんと、気にしないで!」

俺は、軽い調子でそんなふうに言って、それじゃあ、と別れるつもりだった。

ところが、急にお姉さんは深刻な顔をして俺に言ったんだ。

「ねぇ?
 零くんって彼女いないの?」

(えっ?)

いきなりそんなことを言われて、俺はちょっとたじろいだ。
そして、思わず、

「あ、うん。
 今はいないけど…」

って反射的に答えてしまった。

(やべっ)

答えた瞬間に焦った。

普段なら、魔界に関係のない一般人と話しているときは、意識しなくても
必ずワンクッション考えてから喋るようなクセがついているんだけど、
このときは、相手がカオルちゃんの友達だったから気が緩んじゃったのか、
それともお姉さんがあまりに自然にサラッと聞いてきたからか、とにかく
何も考えずに答えていた。

ただ、こちらの焦りは気づかれなかったみたいで、お姉さんは

「ふうん、そうなんだ…」

と、なんだかひとりで納得しているようにうなずいていた。

「なに? それがどうかした?」

努めて平静を装って、尋ね返すと、

「あ…
 なにがどう、ってことないんだけどね…

 零くんにはさ、甘える相手っていうか、心許してる相手っていうか、
 そういう人が、ひょっとしたらいないのかなぁ~ って、ちょっと
 思ったから、あぁ、やっぱり当たってたんだなぁ、って…」

と、お姉さんが答えた。
結構失礼なこと言われてるんだけど、不思議と腹が立たないのは、
彼女に悪気があって言っているんじゃないと、直感的に感じるからに
他ならなかった。

苦笑いをするしかない俺に、お姉さんは慌てて言いつくろった。

「あ、ごめん、気を悪くした?
 変な意味で言ったんじゃないんだけど…

 ほら、零くんってさ、こっちの気持ちを思いやってくれるって言うか、
 配慮がちゃんとできるって言うか、すごく気を遣う人なんだろうな、
 って思ってさ。

 それでね、そんな零くんをいたわってくれる人がいたらいいのになぁ、
 なんて思ったんだけど、なんとなく彼女はいないような気がして…

 だって、もし彼女がいるんだったら、カオルの部屋に零くんひとりで
 来るなんて誤解されそうなことしやしないでしょ?」

うん、お姉さんの言うことは筋が通ってる。
このお姉さん、あんまり考えていないように見えて、案外、いろいろ
考えているようだ。

「確かに、俺、彼女はいないけど、家族ならいるよ」

にこにこと笑いながら言ってみる。

家族がいる、っていうのは嘘じゃない。
俺にはシルヴァがいる。
俺にはそれで十分だ。

普通の人なら、この答えで、あぁそうか、と納得してくれるだろうが、
このお姉さんはどうやら一味違うようだ。

「あら!
 家族だからって、心許してるかどうかなんて、わかんないでしょ?」

サラッとそんなことを言う。

(いや、まぁ、そうなんだけど…)

予想外の言葉に、俺はいったいどんな反応をすればいいんだろう?

すると、お姉さんが申し訳なさそうな顔で謝った。

「あ、またやっちゃった?

 もうほんと、この頃、後先考えずに思ったこと言っちゃうんだよねぇ~
 なんか、どんどんおばさん化していくみたいで、嫌なんだけどね」

最後のほうは、ひとりで勝手に反省し出した。
あんまり、こういう話題で話し続けるのは嬉しくないなと思って少し
強引な気もしたが、別の話題を振ってみた。

「ところでさ、カオルちゃんがいつ帰るか知ってる?」

ありがたいことに、お姉さんはそれに乗っかってくれた。

「ええ、確か、12時くらいの電車って言ってたけど…
 なんならカオルに聞いてこようか?」

今しもカオルちゃんのほうに戻ろうとしているお姉さんを、

「ううん、いいよ」

と、俺は引き止めた。

「ひょっとしたら見送りに行けるかな? と思ったんだけど、変に期待を
 持たせて、もし行けなかったりするとカオルちゃんに悪いから…」

すると、お姉さんは少し勝ち誇ったように指摘した。

「ほら、そういうとこ!

 カオルはさ、零くんより年上なんだからさ、そんな遠慮なんてしないで
 いいのに…
 年上の人にはさ、もっと甘えたっていいんじゃない?

 零くんの我儘(わがまま)を聞いてくれる人、早くできるといいのに、
 って思うよ?」

覗き込むようにして言うお姉さんの視線を避けるようにして、俺は呟いた。

「俺は… いいよ」

なぜだろう?
魔界に関係するヤツなんかには絶対言わない本心が、会ったばかりで、
もう二度と会わないかもしれないこのお姉さんには、つい、ポロリと
出てしまう。

すると、お姉さんは、母親が子どもに言うように、言い含めるように
こう言った。

「だめだよ、零くん。

 これは、私の持論なんだけどね。
 人間は、み~んなしあわせにならなきゃだめなの!
 だからね、零くんもしあわせにならないと… ね?」

「…俺、今でもしあわせだよ?」

ささやかに反抗する気持ちもあって、俺はそう言った。

でも、嘘じゃない。
俺にはシルヴァという家族も、鋼牙のような仲間もいる。
俺は、それで、十分しあわせだ。

すると、俺の言葉にもひるまず、お姉さんは笑った。

「ふふふ。 そうなんだ…

 でもね、それならそれで、もぉ~っと、しあわせになったっていいんじゃ
 ない?」

…まったく、この人は。
ほんとに予想をしない言葉を返してくれるんだから。





零くんは、昨日、亜佐美との間で話したことを思い出して黙りこくって
いる。
亜佐美は、昔からカッコいい人には目がなかったが、まさか、零くんに
「彼女いないの?」ってアプローチするなんて!

ここは、亜佐美の友達としてあたしが謝っておかなきゃ…

「ごめんね、零くん。
 亜佐美ったら、いい男を見ると、すぐそんなことを聞いちゃうんだよ。

 あ、でもね、亜佐美にはちゃんと本命の彼がいるみたいだから、本気に
 しないでいいからね?」

零くんは、あたしの言葉に、こちらに意識が戻って来た。

「えっ? あぁ、うん。
 そんなんじゃない、ってお姉さんも言ってたから大丈夫だよ。

 それよりね、今考えてたのは、その後のことでね…
 お姉さん、俺に、 ’もっとしあわせになってもいい’ って言ったんだ」

「あ、それ、あたしも亜佐美に言われたよ。
 ’しあわせ掴みなよ’ って…」

正確には、’女のしあわせを’ なのだが、それを零くんに言うのはなんだか
恥ずかしくて伏せておいた。

そのとき、もうじき電車が来ることを知らせるアナウンスがホームに
鳴り響いた。

「「あ」」

ふたり同時に声をあげ、目を見合わせて笑った。

「じゃ、カオルちゃん。
 元気でね」

「うん、零くんもね…」

「また、時間を見つけて、そっちにも顔を出すよ」

「うん。
 …ゴンザさんとふたりで待ってるよ」

鋼牙の名前を出せなくて、なんとなく泣きそうな笑顔になる。

「あいつも、じき帰ってくるさ」

零くんがそう言って、優しく微笑んでくれた。
そんな零くんを見ていると、もっと泣きたい気持ちが強くなる。

「…うん」

それから、

「亜佐美じゃないけど…」

と断ってから、

「零くん、しあわせになってね」

と言ってみた。
すると、

「あぁ。
 だけど、カオルちゃんの方が先にしあわせになりなよ」

と零くんが返事をした。

「もう、零くんったら…」



そこに、滑るように電車が入って来た。

一言二言、零くんと言葉を交わし、あたしは車中へと入っていった。
ようやく、席に着いたかと思ったら、発車の音楽が流れだす。
ゴゴゴ、と入り口ドアの閉まる音が聞こえ、やがて、ホームに残る
零くんとの距離がぐんぐんと離れ出す。
あたしは窓ガラスにおでこがつくくらい接近して、零くんが見えなく
なるまで目で追った。



零くん、またね。
  亜佐美、今度はあんたの恋の話を聞かてせね。
    そして、ポートシティ… また来るね。  バイバイ…



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


はい、なんとか無事(?)に終わりました!

実は、これ、

・鋼牙が ’約束の地’ に行って留守の間
・ホラーに襲われたカオルを零が助けて
・カオルと零が急接近
・ゴンザやレオがヒヤヒヤする

というリクエストをいただきまして、トライしてみた妄想なのですが、
リクエストどおり書いたのではリクエストされた方が読んでても、筋が
見えてしまって面白くないかなぁ~ と思って、若干変えました。

いや、「若干」というのは完全に嘘ですねぇ。
当初は、

・鋼牙が ’約束の地’ に行って留守の間
・カオルと零が急接近

だけを採用したつもりでしたが、結果的には

・鋼牙が ’約束の地’ に行って留守の間

しかクリアしていない気がします。 ははは (←乾いた笑い)


ま、selfish の妄想は ’勢い’ だけだしな。
どう転がるか、書いてる本人もよくわからない感じですので、こんなもん
でしょう、と自分を慰めてみる…


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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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