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きんのまなざし ぎんのささやき

God be with ye(4)

先週お休みした分、頑張ろうと思ったのですが…
…戦闘シーンって難しいですね。
またまた、いい感じに頭の中で補完してただきますよう、重ねて、重ねて、お願いしますぅ~


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大きな翼を羽ばたかせて、ホラー、アバドゥールは気持ちよさげに飛んでいた。

「バァ、スッカ、スッカ。
 カリチケルナスバアサッカザ、バマバブスメカチ、ンチコツムサ…」
(はぁ、喰った、喰った。
 大してうまくはなかったが、腹は膨れたし、ヨシとするか…)

口の端を二イッと上にあげ、ぶきみな笑顔を浮かべる。
と、そこへビュンビュンと風を切る音を立てて何かがアバドゥールの左後方から飛んできた。

「!」

すんでのところでそれを避(よ)けると、アバドゥールは自分を襲ったものの行き先を目で追った。
クルクルと回りながら空(くう)を切って飛んできたものは、緩いカーブを描きながら地上へと戻っていった。

  スチャ

地上に立つ男がそれを掴む。すると、その手には銀色に輝く剣が握られていた。
男の目がこちらを向く。
アバドゥールと目が合うと、ニコッと笑った。

「見~ぃつけた♡」

ホラー相手に無邪気にそう言う男に、アバドゥールは怪訝そうに呟く。

「ロナレバ… ナサリシチサ?」
(おまえは… 魔戒騎士か?)

ほんの少し興味を持ったがそれもすぐに失って、アバドゥールはフンと鼻を鳴らしてそのまま飛び去ろうとした。
すると、今度は先程よりももっと殺気立った刃(やいば)が襲いかかってきた。
辛(から)くも避けることができたものの、自慢の翼から何枚かの黒い羽がヒラヒラと落ちていった。

「クッ…」

憎々し気に歪んだ顔を魔戒騎士に向ける。
すると、魔戒騎士は笑顔のままで

「せっかく会えたんだから無視しないでよ」

と言う。
しかしその笑顔もすぐに消えると、魔戒騎士はダッと地面を蹴った。
路上駐車してあった車を駆け上がり、高い塀に足をかけ、ベランダの手すりを蹴り、看板につかまると、反動を利用して建物の屋上へと飛んだ。

「ふぅ、これでやっと同じ高さかな?
 俺、あんまり見下ろされるのって好きじゃないんだ」

「…」

バサバサと中空に留まっていたアバドゥールが、無言のままその建物の屋上に降り立った。

「アイサンルサ?」
(何か用か?)

用心深そうにアブドゥーは尋ねる。

「俺は涼邑零。またの名を絶狼。
 魔戒騎士がホラーに用、って言ったら… ひとつだろ?」

穏やかにそう言う男の目も笑っていない。
両手には短めの剣がそれぞれ握られていた。

「ボロ…
 イユゼユゾコシザロメヨチコネンルコリルオサ?」
(ほお…
 人間ごときが俺を仕留めようと言うのか?)

嘲るようにそう言うと、アバドゥールは牙を剥き爪を立てて零に襲いかかった。
鋭い爪を避けて後方に飛びのいた零は、その反動を利用して今度は前に大きく飛んだ。
零の振るった左右の太刀を、アバドゥールは爪で弾く。
だが、弾かれることなど想定していたようで、そのまま流れるように大きく身体ごと剣を回転させると、今度は下から上へ切りあげるように剣を翻した。
すると、今度はアバドゥールのほうが素早く翼を羽ばたかせて身体を後方へと引いた。

「ワムア…」
(やるな…)

ニヤッと顔を歪ませるホラーは、普通の人間が見れば、背筋がゾクゾクするほど恐ろしいに違いない。
だが、零にとっては特別な気持ちなどない。
零にとってホラーとは、狩るべき存在… それだけだ。

ふたりが睨み合ったのはほんの一瞬。
すぐに、アバドゥールは誇示するかのように大きな黒い羽を広げたかと思うと、力の限り動かし始めた。
その動きは大きな風を生み、その風がうねるように零に襲いかかってきた。
零は右手を顔の前に盾のようにかざし、両足を踏ん張ってそれに耐えた。
それを見て、アバドゥールはより一層風を起こす。
そのあまりの強さに零の身体が飛ばされそうになり、剣を地面に突き立ててそれに耐えようとした。
相手が劣勢なのを見てアバドゥールは少し余裕が出たのか、じりじりと間隔を詰め始めた。
距離が縮まると同時に風の強さも強まっていく。

『このままではまずいわ、ゼロ!』

「ああ、わかってるさ」

焦りを覚えながらも零は周りの様子を窺った。
アバドゥールが起こす風は、零を集中的に狙ったものだ。

(だったら…)

零は左手を庇うように後ろに隠して風の直撃を避けておき、思いっきり横の方向へと振るった。サイドスローの要領で剣を投げたのだ。
案の定、零から少し離れれば風の影響は何もなかった。
零の手から離れた剣は大きく軌道を曲げて、アバドゥールの右の翼を襲った。
だが、残念ながら、翼の手前10数センチのところを横切っただけで、相手を攻撃するには至らなかった。
けれども、いきなり横手から飛び出してきた剣に驚いたアバドゥールは、ほんの少し動揺して翼の動きが鈍くなったのだ。
このわずかなチャンスを、零が見逃すはずはない。
戻ってきた剣をしっかり受け止めつつ、身体を低くして前へと駆け出すと、アバドゥールの足元を2本の剣で薙ぎ払った。


to be continued(5へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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