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きんのまなざし ぎんのささやき

L'Oiseau bleu(2)

シャロンって、公式の登場人物の中の誰なんだろう?

そう思ってる方もいらっしゃるかもしれませんが、誰かをモデルにしている
わけではありません。
まったくの捏造した人物になります。

そんな妄想キャラを用意したら、レイくん、どんな反応を見せてくれるで
しょうか?
多分、誰よりも selfish が一番、興味津々でいるかも! (笑)



さあさ、眠たい子はお布団に入った、入った!
起きてられるもん、という子は、お話の続きをど~ぞ!





::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

レイがシャロンに尋ねようとした、まさにそのときです。
大広間のほうから、

「これが本日、最後の曲となります」

という声が聞こえてきました。
それを聞いた途端、レイは反射的にシャロンを誘いました。

「ねぇ、シャロン、最後の曲だ。
 どうかな? 俺と… 踊ってくれませんか?」

レイは、ドキドキしながら、シャロンに手を差し出しました。
シャロンは急な誘いに戸惑うばかりでしたが、レイはもう一度、優しく
尋ねました。

「どうかな?」

レイの目をじっと見たシャロンは、わずかに嬉しさを滲ませて、おずおずと
うなずき、そのほっそりとした手をレイに預けました。
レイはほっとしたように笑うと、シャロンの手を引いて、大広間へと
向かいました。




舞踏会の最後の曲が流れる中、零はシャロンと踊ります。
華奢なシャロンは、踊っていても羽のように軽やかです。
儚げなその容姿と相まって、まるで、妖精か何かのようでした。

そんなことをぼんやり考えていると、レイはシャロンに足を踏まれました。

「ってぇ」

思わず、小さく声が出て、レイは慌てて首をすくめました。
レイの腕の中で小さく縮こまっているシャロンに気づくと、小声で謝り
ました。

「ごめん、俺、ちょっとぼんやりしてた。
 今度はちゃんとリードするから…」

実際のところは、レイに非があるのではなく、シャロンがステップを
間違えたのです。
でも、レイがそんなふうに言ってくれたので、シャロンはとても気が楽に
なりました。

おずおずとレイを見上げ、シャロンは微笑んで、こくんとうなずきました。
それを見て、レイもにっこり笑います。
シャロンの笑顔を見ると、レイはどうしようもなく嬉しくなりました。

レイとシャロンは楽師たちの奏でる素敵な音楽に乗り、とても楽しく
踊り続けました。
でも、夢のように楽しい時間もいつかは終わりを迎えます。

指揮者が仰々しくタクトを振り上げると、ピタリと音楽がやみ、あちこちから
自然に拍手が沸き起こりました。
レイとシャロンは、最後のお辞儀をして、とても残念そうにしている顔を
見合わせました。


「シャロン…」

レイが話しかけようとしたとき、国王の挨拶が始まりました。
ふと、そちらに気を取られた瞬間、レイのかたわらから、フワリ、と
わずかに空気が動きました。

(あっ!)

レイがそう思って振り返ると、人々の間を縫うようにして去っていく、
シャロンの小さな後ろ姿が見えました。
レイは、すぐに追いかけようとしましたが、その長身のため、今、動くと
目立ち過ぎてしまいます。
結局、レイはシャロンを追いかけることができずに、見えなくなっていく
シャロンを名残惜しそうに目で追っていくことしかできませんでした。



それから何日か過ぎました。
舞踏会の翌日から、レイはあちこちへと出掛けました。

市場や教会、小麦畑や牧場、時には顔見知りの人たちの家を片っ端から
訪ねたり…
とにかく、シャロンの手掛かりが掴めそうなところは、どこにでも
行ってみました。
でも、市場のおばさんも、農家のおじさんも、貴婦人も煙突掃除も、
誰も彼も、そんな娘は知らないと言います。

レイは日に日に疲れた顔になり、イライラしていきました。

舞踏会の日に王子から ’告白’ されたカオルンは、その喜びを伝えたいと、
何度かレイに話しかけるのですが、

「カオルン、ごめんね。
 俺、ちょっと用事があって…

 それが終わったら、ゆっくり話でもなんでも聞くから」

と断ると、足早にどこかへと出掛けてしまいます。
いつもなら、自分のことなど後回しにしてでも相手になってくれるレイなのに、
あまりにレイらしくないその様子に、カオルンも心配になりました。

「ねぇ、ゴーザン。
 レイったら、何か心配事か何かあるみたいなんだけど、なんだかわかる?」

王子と一緒に食事を摂っているときに、給仕をしていたゴーザンに聞いて
みました。

「いえ、わたしには何も…」

思い当たることのないゴーザンは、そう答えました。
すると、

「レイがどうした?」

カオルンとゴーザンの会話に、興味を示した王子が割り込んできました。

「レイくんがね、舞踏会が終わってから、なんだかソワソワと落ち着きが
 なくって…
 いつもだったら、お喋りでもなんでもちゃんと相手をしてくれるのに、
 そんな余裕がないっていうか、心ここにあらずっていうか…

 きっと、何か気になることがあるんじゃないかなぁ」

カオルンはそう言うと、心配そうな顔を王子に向けました。
王子は少し考えて、

「そう言えば、ここしばらく、ヤツから剣の稽古を誘われていないな…
 ヤツらしい遠慮かと思っていたが」

舞踏会が終わってからの王子は、カオルンと過ごす時間がとても多くなり
ました。
一緒にお茶をしたり、庭をそぞろ歩いたり、馬で出掛けたり…

それで、レイは努めて王子に誘いをかけていなかったのだ、と勝手に王子は
思い込んでいましたが、どうやらそういうことでもないようです。

「まぁ、レイのことだから、そんなに心配する必要もないだろう」

「うん… そうだね」

それでもやっぱり、カオルンは気になっていましたが、微妙な微笑みを
見せて答えました。




レイのシャロン捜索活動は、その後も続きました。

その日も夕食の時間ぎりぎりまで出掛けていたレイは、疲れた顔で戻って
きました。

「はぁー、疲れた…」

そう言うと椅子にどっかりと座り、天を仰いで、ずり落ちるようになりながら、
体中の力を抜きました。

(いったい、どこにいるんだ、シャロン…)

言葉の喋れない娘、と言えば、わりとすぐに見つかるだろうと、レイは
簡単に考えていました。
でも、街に行っても、市場に行っても、なんの手掛かりも見つかりません
でした。

(あの子、ほんとは妖精とかだったりして…)

そんなふうに考えては、そんなばかな、と自虐的に笑ったりしました。
しばらく、だらしなく座っていましたが、レイは、えいっと気合いを入れて
座り直すと、

(だめだ、だめだ!
 もっと、建設的に考えろ!)

そう自分に発破をかけて、レイは真剣に考え出しました。

(いいか? 舞踏会のときのことを思い出そう!
 そこに何か手掛かりはないか?)

記憶を巻き戻して、舞踏会の夜を思い返します。
そして、ひとつ、これまでに見落としていたことに気付きました。

(そうだ! ゴーザンだ!
 ゴーザンは、あの子に会っている!
 俺に気付かなかったことでも、ゴーザンなら何か気付いているかも…)

そう思いつくが早いか、レイは立ち上がり、部屋を飛び出していきました。



城の厨房は、時間が迫っている夕食作りの作業で、戦場のような騒ぎでした。
その厨房に入るなり、レイは叫びました。

「ゴーザン!」

厨房にいたものはみな、声のしたほうに一斉に顔を向けました。
ところが、レイ自身は、周囲の注目を集めていることなど少しも気にとめず、
ゴーザンの姿を探すのに必死でした。

そのとき、コック長と話をしていたゴーザンは、自分を探すレイの声が
聞こえると、ちらりとそちらを見てから、コック長に視線を戻し、

(じゃあ、それで頼む)

と目で合図した後で、ゆっくりとレイのほうに歩み寄りました。

「どうしたんですか、そんなに慌てて…」

ゴーザンは、こんなに慌てふためくレイは初めて見たような気がして、

(カオルンが心配していたのは、どうやらほんとのことらしいですね)

などと考えていました。

「ゴーザン、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」

レイは、ゴーザンの腕を取ると、ドアの陰へと引っ張りました。

「おっとっと…
 レイ、ちょっと落ち着いて!」

そう注意するゴーザンにもお構いなしで、レイはさっそく尋ねました。

「あの舞踏会の夜、手話で話をした娘(こ)のこと覚えてる?」

期待に満ちた目でレイに見つめられたゴーザンは、そのときのことを
思い出すように、中空に視線を彷徨わせました。

「あぁ、はいはい、あのお手洗いの場所を聞いた?

 シャロンがどうかしましたかな?」

「そうそう、そのシャロンのことなんだけど…」

そこで、レイの動きがピタリと止まります。
みるみるレイの顔が、驚きの表情に変わります。

「…って、え~っ? なんでゴーザンがシャロンのこと知ってるわけ?」

掴みかからんばかりに、レイはゴーザンに詰め寄りました。



to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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