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きんのまなざし ぎんのささやき

星降る今宵、もう君を…

今夜は七夕だ!(忘れてた、忘れてた…)

「L'Oiseau bleu」を連載中ですが、ちょうど区切りもいいので、ちょっと
七夕に関連する妄想をしてみようかと…


書き殴りなうえ、メルヘンの書き方から抜け出せずに、何やらトホホ…な
気がしないではありませんが、日頃から鍛えているだろう皆様の ’妄想脳’ を
フルパワーに発揮していただいて、目一杯、脳内補完してくださいませ~
(なにとぞ! 切に!)






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牙狼剣が翻り、横一文字に一刀両断されたホラー ウルヴァシーは、断末魔の
叫びをあげて赤い光となって散り散りに砕け散った。
霧のように消えているホラーの身体の中から、ぽーっと温かく光る金色の
塊がひとつ浮かび上がり、天ノ川のほうへと、ゆっくりゆっくり昇っていった。

『これであの女の魂も救われたな…』

牙狼剣を握る鋼牙の左手から、ザルバが鋼牙に言い、

「…そうだな」

鎧を返した鋼牙は、寂しそうな顔でそう言った。




難なく元老院からの指令を果たした鋼牙は、屋敷へと帰路を急いだ。
屋敷では、幼い頃から鋼牙のことをよく知る執事のゴンザと、鋼牙が命を救い、
深く愛することになったカオルが鋼牙の帰りを待っていた。

急げば、日付が変わる前になんとか帰りつけそうだった。

(できれば今日のうちにカオルの顔が見ておきたい…)

鋼牙はそんなふうに思い、満天の星降る中、その星たちには目もくれずに
歩く速度を速めたのだった。




いつものようにゴンザに出迎えられ、鋼牙はほっとした顔でゴンザに尋ねた。

「カオルは?」

「カオル様はまだリビングにいらっしゃいます」

そう聞くのと、鋼牙がリビングのドアを開けるのが同じになった。

リビングのソファで本を読んでいたカオルが、あっと顔をあげて、鋼牙に
微笑んで見せた。

「おかえりなさい、鋼牙」

途端に鋼牙の顔は優しい顔になった。

「あぁ。 ただいま」

鋼牙の後ろに控えていたゴンザも思わず笑みがこぼれるのだった。

だが、愛し合うふたりの視線が通(かよ)ったのはほんの一瞬で、鋼牙は
すぐにコート掛けに近づくとコートを脱いでゴンザに預けた。

「ゴンザ、遅くまですまなかった。
 今夜はもういい。 休んでくれ」

いつものクールな調子でそう言う鋼牙に、ゴンザも心得たように、

「では、鋼牙様、これで失礼させていただきます。

 お休みなさいませ」

と深々と一礼して、そそくさとリビングを後にした。
それを見送った後、鋼牙はカオルに向かい、

「俺は湯に入る。

 カオル、おまえももう休め」

と告げたのだった。
期待していたような言葉が聞けず、カオルは一瞬、何か言いたそうな顔を
見せたが、手にした本をパタンと閉じて立ち上がると、

「うん、そうだね…  それじゃあ…  おやすみなさい」

と言って、リビングを出ていった。
カオルを見送る鋼牙には、愛しさと申し訳なさの入り混じったような表情が
見え隠れしていた。




鋼牙が風呂からあがり、自室に戻ってみると、すでに時間は24時を過ぎ、
日付が変わっていた。
疲れた身体をベッド際まで運び、ベッドの端に腰を下ろした。
手にしていたボトルからよく冷えた透明な水を喉へと流し込む。
ようやく人心地ついて、ほぉ~っと大きく息を吐く。
そして、ぼんやりと今日斬ったホラーのことを思い出す。


ウルヴァシーは、鋼牙の苦手な、女喰いのホラーだった。
元々は、恋人と仲良く楽しい日々を過ごしていた人間の女が、仕事の都合で
遠い土地に離れて暮らすようになった男の浮気を気にするあまり、男に
疎んじられ、振られたことがきっかけとなって、陰我を生んだのだった。

(あんなに愛し合っていたのに…

 あたしからケンジを奪ったのは誰っ?
 あの女か? それともこの女?

 あたしはケンジを離さない!
 ケンジはあたしだけのものよっ!)

闘いの中、元は美しかったと思われる女の顔が、嫉妬と憎悪のために醜く歪み、
悲鳴に近い声で恨み言を吐いていた。

それを聞いて、ようやく鋼牙は思い当たった。
ウルヴァシ
に襲われ、喰われていったのは、すべて、ケンジと名のつく男と
付き合っている女だったからだ。

ホラーとなってしまった女と付き合っていた当の本人のケンジが、浮気を
していたのかどうかは、今になっては判らない。
いや、そんなことなど、魔戒騎士にとってはどうでもいいことだった。

 ホラーは斬る!

魔戒騎士にとっては、それだけがすべてだった。

だが、自分自身、魔戒騎士であることで、カオルのそばにいつもいてやれない
身である鋼牙には、離れて暮らす男を深く愛するが故にホラーに魅入られた
女の存在に、正直なところ、堪(こた)えるものがあった。

魔戒騎士になったことを後悔したことなどない鋼牙であったが、その身を待つ
カオルのことを想うとほろ苦いものを感じずにはいられなかった。

奇(く)しくも今宵は七夕。
仕事が優先として引き離されることになった織姫と牽牛が、年に一度だけ
逢うことが許された日であった。
その貴重な逢瀬の日に、カオルに会いたい、カオルのそばにいてやりたい。
それはあまりに自分勝手だろうか…




 コンコン…

遠慮がちなノックの音が聞こえた。
ハッと現実に引き戻される鋼牙。

「開いてるぞ」

そう答えると、開かれたドアからカオルの姿が現れた。


「どうしたんだ?」

ベッドの端に座ったまま、鋼牙はカオルを見つめた。
その顔には嬉しさよりも戸惑いの比重の方が大きかった。
そんな鋼牙の様子に、カオルも少し困惑しながら答える。

「うん、違うの、えっとね…
 別にこれって用事があるわけじゃないんだけどね…

 鋼牙のそばにね、もう少しいたいかな、って思って」

オーバーなくらいにジェスチャーを交えて答えたカオルは、最後には、
鋼牙の様子をうかがうように、伏し目がちに言った。

その姿があどけないくらいに見え、モヤモヤしていた気持ちよりも
カオルへの愛しさのほうが募ってくる。


「もっと、こっちに来ないのか?」

鋼牙の言葉に、カオルはパッと顔を輝かせて、近寄ろうとした。
すると、

「だが…」

制するように鋼牙が少し大きな声を出し、

「そばに来たら、今夜はもう…」

と言ったきり黙ってしまった。
その先の言葉を、どうしても鋼牙の口から聞きたいと思ったカオルは

「今夜はもう… なに?」

と聞いたので、鋼牙は少し顔をしかめて、

「ここに来たら教えてやるっ」

とぶっきらぼうに言った。

「なにそれ? なんかずるくない?」

そう笑いながらも、カオルは鋼牙の目の前まで来て立ち止まり、

「さぁ、来たわよ。
 約束どおり、教えてちょうだい」

と笑った。
鋼牙はカオルの腕を取って自分のほうに引き寄せると、カオルは、鋼牙の胸に
ぶつかるように飛び込む形となった。
そのカオルの耳元で鋼牙は囁いた。

「続きはこうだ…

 今夜はもう… 離さない」

鋼牙の優しい声と、時折耳たぶに触れる鋼牙の唇の感触に、カオルはもう
身体が熱くてたまらなくなった。
今度は、カオルが鋼牙の首にしがみつくようにして、お返しとばかりに
鋼牙の耳に囁いた。

「…うん。
 離さないで、鋼牙」

カオルの甘えるような声と、鋼牙の耳にかかる熱い吐息に、鋼牙の気持ちも
否応なく高まってくる。



いつも一緒にいることは叶わないふたり。
だが、心が通ったときには、言葉を重ね、想いを重ね、身体を重ねて、
それを確かめ合うことができるなら、どんな試練も乗り越えられる…

部屋の外では、幾千もの星たちが、地上のそこかしこで繰り広げられる愛の
囁きに同調するように、しあわせそうに瞬いていた。




fin
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またまた、やっちゃいました!
イベントものを当日に書く悪い癖!

いつも言ってますが、イベントものって照れくさくて、直球勝負は非常に
恥ずかしい…
なので、「仕事で会えない恋人たち」という切り口から書いてみました。

鋼牙さんが 「離さない」 なんて台詞言うかぁ?! と思いつつ、
いやいやいや、恋人どうしなんだし、そのくらい言ってやりなよぉ~ と
いうことで言っていただきました。
でも恥ずかしいから、耳元でボソボソと、ですが…

まぁ、それが逆に皆様の立派な(?)妄想脳を刺激することになったなら、
嬉しいなぁ~♥

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コメント
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無題
こんばんは、またもご無沙汰で申すわけありません、コーガとカオルンの嬉しはずかし御伽噺,胸キュウで愛読させていただき感謝、レイ君のおわなしもダダ今ま、愛読中、コーガたち同様にすばらしい魔法がかかりますように、そした七夕一年に一度は、鋼牙から、もつと刺激的な言葉もききたいななんてね、、わたくし、かなまま、ロト6詐欺にかかりそうになりまして、気持ちの緩み怖いです、しかし、詐欺とわいえないかな、まだお金とられてないので、ロト6には、月に何回、宝くじの元からナンバーを教えてもらえる日があり、当選した額のの3割りをバックマジンとして払うとのことで7割は手元に残りますよ、ううおいしいはなし、2年ぐらいで皆さん目標の額2億達成で卒業、して新しいかたおいれるのでとこ電話、お金ほしい、話に耳をついつい傾けてしまいました、心のどこかでこんなうまい話ないよねという声ともしかしてホンと、明日の当選番号と前日に電話で教えてくれました、ええ信用しかけました、しかし、夜の7時にきたのですが、ネットで確認したら6時48分には、出ていました、うう、104の電話案内で会社の名前いつテ、携帯の着信履歴に番号と照らし合わせようと聞いたら、該当する会社ない、変、番号から住所は教えてもらえませんでしたネットで検索した出ました、東京都庁の中を→がさしています、これどういうこと。もうわからない、少しでも、疑問があるももには手お出さないというこので電話がなつても無視をキメコン3日目、1ヶ月ごに公衆電話から電話して確かめ見ようと思っています、逃がした魚はおおきかな、まあまじめにこつこつが一番、
かままま 2013/07/07(Sun)23:50:00 編集
Re:無題
そろそろコメントいただけるかなぁ~ なんてお待ちしてましたよぉ~
コメントいただけると励みになります。
いつもいつもコメントありがとうございます!

> コーガたち同様にすばらしい魔法がかかりますように
わぉ、なんて素敵な言葉でしょう!
かなまま様が、レイのお話に魔法をかけてくれてるかのようです!
なんとかがんばって、いいお話を書かないと… ですね。

七夕のお話、「もっと刺激的な言葉」ですか?
そんなリクエストを聞いただけで、selfish は鼻血が出そうなんですけど。(えへへ)
ほんとは七夕でもなんでもなく、Rなお話を書こうかなぁ~ なんて思っていたのですが(言うなれば、あのお話のその後のシーンです)、そこにたどり着くまでに力尽きたのでした。(ははは…)
もし辿りつけていたとしても、うちの鋼牙さんはなかなか手強いので、残念ながら、刺激的にはならなかったでしょうね。

それにしても…  ロト6詐欺とは!
庶民のささやかな夢を食い物にする輩(やから)がいるんですねぇ~
かなまま様、ひっかからないようにご注意あそばせ!

毎日、いろいろ大変でしょうが、つらい顔で過ごすのと笑顔で過ごすのとどちらも同じ一日なのであれば、絶対、笑っていた方がいいはず!
手を抜き、息を抜き、毒を抜き、前を向いて牙んば狼~!
【2013/07/08 20:52】
すみません!
本日の妄想アップはできそうにありません。
どんなふうに展開しようかまだ迷ってまして…
うまくしたら明日にでも、とは思うのですが、
きちんとお約束するのも難しく…
どうか、どうか気長にお待ちくださいませ!

2017/11/19
selfish

selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



夕月 様[07/15]
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夕月 様[06/15]
ナサリシチ 様[06/08]
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