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きんのまなざし ぎんのささやき

アンタとオマエ(3)

邪美と鋼牙の関係…
カオルとの関係とは違った意味で ’深い’ ですよねぇ~

MAKAISENKI では、邪美も鋼牙もすっかり ’大人’ ですが、子供じみた
やりとりもまた楽しかろう… というのが今回の妄想です。

楽しんでもらえたら嬉しいです!



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リビングでは、鋼牙と邪美がまだ言い合っていた。
ただし、当初の論点よりかなりズレたところでだったが。

「父親にくっついて離れたがらなかったチビが、立派なことを言うように
 なったもんだ!」

「何年前のことだ?
 俺はもうチビじゃないぞ」

そう言って、鋼牙は胸を張って見せる。

「オマエのほうは、痩せっぽちだった昔とちっとも変わらないな。
 相変わらず、俺を怒らせるようなことばかり言って、喜んでるんだからな!」

今度は邪美がカチンときて、言い返す。

「あたしだって、もうあの頃の痩せっぽちじゃないよ!
 かなり成長してんだからね!」

そう言うと、邪美も胸を張って見せた。

しばらく、2人は睨み合っていたが、やがて、どちらからともなく吹き出した。

「ふふふ… いったいなんの話をしてんだろうねぇ、あたしたちは?」

「ふっ、まったくだ」

笑いながら、邪美は少し気持ちが軽くなっていることに気付いていた。

’破滅の刻印’ のことを内緒にしている者と内緒にされている者…
立場は違うが、それぞれが自分一人の胸に秘め、苦しい日々を過ごして
いた。

それが、今。
何の遠慮もいらない幼馴染を相手に、言いたいことを飾らない言葉でぶつけ、
他愛のない軽口を叩き、腹の底から笑うことができたのだ。
なんの解決にもなってはいないが、鬱屈とした気持ちを吐き捨てることが
できた。

(翼が何も言わないのは、翼の考えがあってのことなんだろう…)

邪美は、そんなふうに、少し割り切って思えるような気がした。


(あたしは、まだいいよ…
 鋼牙に言いたいこと言ってスッキリしたんだから。

 でも、カオルは…)

邪美は鋼牙の大切な人のことを思いやると、また少し胸が締め付けられた。
目を閉じ、大きく深呼吸してから、鋼牙に問い質(ただ)した。

「鋼牙…
 やっぱりカオルに話すつもりはないんだね?」

鋼牙も邪美のまなざしをまっすぐに受け止めて答えた。

「あぁ」

邪美は優しい笑みを浮かべた。

「わかった…
 もう何も言わないよ。

 だけど…
 絶対、カオルの元に帰ってあげなよ?

 そのために、あたしに手伝えることがあったら何でも言ってくれ。
 絶対だぞ!」

「もちろんだ」

鋼牙の返事を聞いて、邪美は満足そうにうなずいた。
そして、ニヤリと笑って言い足した。

「あたしに断りもなく、くたばっちまうんじゃないよ!」

鋼牙は笑みを浮かべながら、やれやれと言わんばかりに溜め息をついた。
すると、ザルバがぼそりと呟いた。

『黄金騎士相手にそんな口をきくのは、邪美と零の2人くらいだな…』

それを聞きとがめた邪美は、魔導輪の近くに顔を近づけて話しかけた。

「おや? 何か言ったかい、ザルバ?」

『いや、別に…』

「そうかい…  ふふふ」

ザルバと会話する邪美を、鋼牙は穏やかな表情で見つめた。
口の悪さに惑わされそうになるが、鋼牙にはちゃんと邪美の優しさが
伝わっていた。
その邪美の優しさについつい甘えてしまい、邪美の前では、何の気負いも
なくなってしまう。
そんな邪美の存在に、鋼牙もまた少し救われたように感じていた。



そのとき、廊下のほうから軽やかな足音が聞こえてきた。
リビングのドアが開くと、朝食を乗せたワゴンを運ぶゴンザとカオルが
入ってきた。

「お待たせしました~」

カオルの明るい声がリビングに響く。

「おぉ、おいしそうだねぇ」

邪美がゴンザとカオルに笑顔を向ける。
冴島家の朝食が、邪美を交えてにぎやかに始まろうとしていた。



fin
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うちの鋼牙さんもカオルちゃんも、勝手にひとりで悶々として、こうするって
決めて、やっぱりどうしようって悩んで…

自分でそんなふうに妄想しておきながら、そういう陰鬱な空気に selfish が
耐え切れなくなったんで、邪美姐さんに登場いただきました!
黄金騎士を叱り飛ばしてくれるような存在は、邪美姐さんしかいないでしょう?

邪美姐さん、うちの鋼牙さんにビシ~っと言ってやってください!

「もっとカオルのことを考えてやれ」 って!
「約束のひとつも交わしてやれよ」 って!

ただ、邪美自身が、鋼牙さんへの恋心をどんなふうに解決させたのか
(あるいは、解決させてないのか)が気になるところではありますが。

みなさんも、邪美姐さんに言ってもらいたいことってないですか?

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コメント
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無題
アンタとオマエ最後まで愛読できたことに感謝、selfish様のお話は、読ませいただいた後なんかほっとする気持ちになれて心地いいひと時をおくれます。有難うございます。一昨日にコニタンのカレンダーが届きました、予定より遥かに早い到着に心うきうき一目散に中身を食入るようにみました、どれもこれもにウットリ、
かなまま 2012/12/14(Fri)22:24:02 編集
Re:無題
かなまま様、「ほっとする」って、それほんとうですかっっっ
書いてる本人としては、書き終わると途端にドキドキが始まりますよ。
みなさんどんなふうに思うだろうって…
いやぁ、かなまま様のコメントで、selfish がほっとしましたよ!!

カレンダー、早く届いてよかったですね!
見るたびにニヤニヤが止まらないのでは?
そんなかなまま様が、ご家族からどんな目で見られるか、容易に想像つきますな~ ふふふ
【2012/12/14 23:20】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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