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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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聖夜の果て(2)

あぁ、鋼牙が指令を受けて出掛けちゃいました。
どうして、魔戒騎士はフツウの人と同じように聖夜を楽しむことができない
のでしょう…

…っていうか、なぜ、こんな妄想しかできないんだろう… orz



ほんの少しですが、続きをど~ぞ!



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

西の管轄へと出かけていった鋼牙の姿が見えなくなると、ようやくカオルは
ドアをくぐり、邸内に入った。
その表情には、隠しきれない ’失望’ が浮かんだのをゴンザは見てとった。

「鋼牙様のことです。
 大丈夫… 今日中にお戻りになりますよ」

ゴンザはそうカオルを励ました。

「そうだね…」

少し笑みを浮かべてカオルは答えた。
だが、心の中には、どこか諦(あきら)めに似た感情が居座っていて、
カオルの気持ちが晴れることはなかった。


ただ、こうなることは、カオルも覚悟はしていた。
というのも、少し前にゴンザから聞かされていたからだった。
それは、今から10日ほど前のこと…


「もうすぐ、クリスマスだね?」

何気なくそう言ったカオルに、ゴンザは複雑な表情でこう尋ねたのだ。

「クリスマス…
 カオル様は、楽しみにしておいでですか?」

当然答えの決まっている質問を何故わざわざするのか…
理解に苦しみつつも、カオルは肯定の言葉を口にした。

「そりゃあ…」

その答えを聞いて、ゴンザの小さく溜め息をついた。
カオルは、ゴンザの様子に不安を覚えつつも、その先のゴンザの言葉を
待った。

「カオル様…
 魔戒騎士にとって、クリスマスというのは、実はあまり楽しいものでは
 ないのですよ」

「えっ?」

驚くカオルに、ゴンザはその理由(わけ)を説明した。

「クリスマスは、街も人もみなウキウキしておりますが…
 光が強ければ、またそれだけ闇も深いものとなります。

 鋼牙様を始め、多くの魔戒騎士たちがホラーの出現を食い止めようと
 常日頃から努力なされています。
 ですが、人間の情というものは恐ろしいもので、 時として、ごく短い
 時間の中で劇的に変貌を遂げてしまいます。

 心躍る日であるはずが、一瞬にして地獄の苦しみを味わう日にならない
 とも限らない…

 そうした理由で、クリスマスのような日は、魔戒騎士たちにとっては
 油断できない日なのでございます」



あのときのカオルは頭では理解していても、肝心なところは真(しん)に
理解できていなかったのかもしれない。
今、実際に鋼牙が慌ただしく出掛けていき、今晩帰らないかもしれないと
いう状況になって、初めてちょっとだけ理解できた気がした。

鋼牙と過ごすクリスマスの夜…
そんな夜を、これから先もずっと、期待してはいけないのかもしれないと
カオルは考えずにいられなくなった。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

鋼牙が魔戒道を通って、西の管轄の騎士たちと合流してみると、その中に
意外な顔を見つけた。

「なんだ、零。
 お前も呼ばれたのか?」

「おいおい、北の管轄にまで要請がいったのかよ。
 今夜はイブだっていうのに、番犬所も気が利かないぜ、まったく…

 あ~ っもういい!  俺が許すから、お前は帰れ!
 カオルちゃんが待ってんだろ?

 いくら西の騎士たちがてこずるホラーと言ったって、最強の魔戒騎士が
 2人も必要だ、なんてことはないぜっ」

 我がことのように苛立つ零に、くすりと笑ってから、鋼牙は言った。

「そうはいかない…

 俺は指令を受けた。
 受けたからには、それを果たすまでだ。

 さぁっ、行くぞ!」

そう言うと、先頭を切って足早に移動を始めた。
そんな鋼牙の背中を見ながら、零は肩をすくめた。

「はいはい、解りましたよ。

 それじゃぁ、とっとと片づけて、姫の元に王子様を帰すとするか。

 シルヴァ、せっかくのイブの夜だってのに悪いけど、頼むぜ?」

ゼロはシルヴァにチャーミングな笑顔を見せて頼んだ。

『ゼロ?
 魔導輪にイブなんて関係ないからいいけど…

 あなたって、また、あの人たちの世話を焼くのね?
 もう、いい加減になさい』

忠告しながらもシルヴァは諦めていた。

「シルヴァ…

 それが、俺のい・い・と・こ・ろ… じゃないか?」

そう言いながら、零は飛びっきりのウィンクをキメてみせた。



to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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