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きんのまなざし ぎんのささやき

冷たい誘惑

毎日暑いですね~
みなさん、お身体、大丈夫ですか?

実は、PCのある部屋にはエアコンがないので、扇風機をつけて汗ダラダラかきながら書いてるわけなんですが、「そうまでして書かなきゃいけないものかな?」と思いつつ、今日も妄想に耽(ふけ)っております。
ああ、早く秋が来ないかな~

…というわけで、夏真っ盛りの今宵の妄想が始まりますよ~




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

風呂上がりのカオルが、鼻歌でも歌いだしそうなくらいの上機嫌でキッチンへと向かっている。
キッチンの戸口で一度足を止めたカオルは、ニッコリと笑うと、そこからはスキップしながら一直線にあるものを目指した。
あるもの… そう、それは冷蔵庫!
冷蔵庫の前に立ち止まったカオルの目は、これ以上ないくらいに期待感で輝いている。
やがて、ゆっくりと手を伸ばしてひんやりと冷たいレバーを握る。
カオルの気持ちを例えて言うなら、長い間、離れていた恋人とようやく会えるような… そんな嬉しさと緊張感とでいっぱいだった。

  パカッ

もったいぶったように扉を開くと、庫内を照らすライトが、カオルの顔を照らしていく。
ところが、パックリと口を開けた扉に首を突っ込むようにしていたカオルの顔が、グンと険しくなった。

「あれ? ないっ! え? どうしてっ?」

焦る気持ちを抑えながら庫内をくまなく探してみるが、お目当てのものはどこにもなかった。

  パタン

力なく扉を閉めたカオルは打ちのめされたように項垂(うなだ)れていた。
やがて、その肩が小刻みに揺れ…




そこへゴンザがキッチンへと入ってきた。

「おや、カオル様。
 お風呂からあがられたので… す… ね…」

カオルの姿を認めて何気なく声を掛けたゴンザだったが、彼女の様子がおかしいことに気付くと、声が尻すぼみに消えていった。
ゴンザの見立てに間違いがなければ、今、カオルは怒っているようだった。

「ゴンザさんっ!」

「はいぃぃぃ」

いきなり強い口調で名前を呼ばれて、ゴンザは直立不動で返事をした。

「鋼牙はどこっ?」

ギロッと睨むカオルに、

「こ、鋼牙様は、し、書斎にいらっしゃいますっ!」

と、ゴンザは縮み上がり、声がワントーン高くなる。

「ありがとっ!」

怖い顔のままカオルが礼を言うと、鼻息も荒くキッチンから出ていった。
ゴンザはしばらく茫然とカオルを見送っていたが、ハッと正気に返ると、何があったのだろう? と頭を捻るしかなかった。





書斎では、鋼牙が魔戒語で書かれた赤茶けたページをめくっていた。
机の上の木箱の上には、台座に置かれたザルバが眠っているように目を閉じていたが、カッと目を見開いたかと思うと鋼牙に注意を促した。

『鋼牙! 不穏な気配が近づいている!』

「ん?」

書物から顔をあげた鋼牙が眉根を潜ませてザルバを見たが、その緊迫した声とは裏腹に、ザルバの顔には意味ありげな笑みが浮かんでいる。
なんとなく、事態を察した鋼牙は、すぐさまドアのほうに顔を向けた。
すると、ちょうどそのタイミングで、書斎のドアが乱暴に開かれた。

そこには、半ば予想したとおり、カオルの姿があった。
カオルは、怒りに満ちた顔でこちらを睨んでいる。

(確かに、’不穏’ だな…)

心の中でそう思い、そっと小さな溜め息をついたが、表にはそれを出さずに落ち着いた口調でカオルに尋ねる。

「どうした、カオル?」

それはそうだろう。鋼牙には、カオルの怒りの原因について身に覚えがなかったのだから。

「どうした? じゃないわよ。
 鋼牙、あなた… 食べたでしょう?」

「ん?」

何を? と言いたげな鋼牙にカオルのイライラはさらに募る。

「アイスよ! ア・イ・スっ!」

そう言いながら、カオルはドスドスと鋼牙の目の前までやってくると、思いっきり怖い顔で鋼牙を睨んだ。
至近距離のカオルの顔に、どんな強敵にも怯まない魔戒騎士の目が少し泳いだ。

「あ… その… 悪かった…」

口ごもりつつ謝ると、カオルはさらに

「お風呂上がりの楽しみにとっておいたのに~ ひどいよ、もう!」

と諦めきれないように言った。
さらに、それだけでなく、

「あ~あ、あれ食べたかったなぁ…」

「1日の終わりを締めくくることができないじゃない…」

などと、しばらくの間、文句は続いた。
そうして、ひとしきり文句が出きったたのを見計らって、鋼牙は遠慮がちに言うのだった。

「ところで、カオル…」

「ん? なに?」

まだ不機嫌そうなカオルに、少しだけ逡巡しながらも、鋼牙は尋ねてみたかったことを口にした。

「あのアイスは『食べたかったら食べてもいい』と言われたと思ったんだが…
 俺の思い違いだったのか?」

鋼牙の問いに、カオルの動きがピタリと止まったかと思うと、今度はカオルの目が泳いだ。

「それは… あれよあれ!
 だって、ほら… いつも鋼牙は食べないじゃない?
 だから今日も食べないものだと思っていて… だから…」

唇を尖らせて言い訳する顔がどんどん俯いていく。
そして…

「ごめんなさい…」

小さく言って、そっと鋼牙の様子を窺うカオル。

  ふっ

鋼牙の顔が優しくなる。

「そんなに食べたかったのなら、最初からそう言えばいいじゃないか…」

「うん…」

最初の勢いはどこへやら。
カオルの身体も声もどんどん小さくなっていった。
そんな彼女が、鋼牙にとってはどうにも愛おしくてしょうがない。

「カオル…
 ゴンザに言って、これからはもっとたくさんストックしてもらえ」

つい、甘やかしてそんなことを言うと、カオルは慌てて首を振る。

「それは駄目よ!
 だって、たくさんあったら、アイスの誘惑にはあたし勝てないんだもの!」

アイスの大好きなカオルは、きっとあるだけ全部食べたくなってしまうだろう。
そんな自分の姿が容易に想像できてしまう。

「誘惑?
 そうだな、おまえは誘惑には弱いからな…」

そう言った鋼牙の視線が、少しだけ色っぽく感じられて、カオルを別の意味でうろたえる。

「あ、あの… 調べ物してるんでしょ?
 ごめんね、あたし、邪魔だったよね。
 もう出ていくから、お仕事の続き、してください。それじゃ!」

口早にそう言ったカオルは、来たときと同じく、慌ただしく書斎を出ていった。





『クックック、一体何しに来たのかと思ったら…
 で、どうなんだ、カオルを誘惑しに行かないのか?
 案外、今頃、部屋でドキドキしながら待ってるんじゃないのか?』

カオルが書斎を出ていった後、それまで大人しくしていたザルバが、おかしそうに笑いながら、鋼牙をそそのかすように言った。

「お前には関係のない話だ… さっさと休め!」

少し厳しい口調でそう言った鋼牙は、再び書物に目を通し始めたものの、何分もしないうちに小さく溜め息をついたかと思うと、手にしていた書物をパタンと閉じた。

(おいおい、やっぱり…)

半ば呆れながら、それでも黙っているザルバに、鋼牙は

「今日はもう休む」

と言って立ち上がった。

『む… んふ… ぐっ… 』

あまりにわかりやすい鋼牙に、ザルバは笑いを堪えるため、口をモゾモゾしている。
ようやく笑いをかみ殺したザルバが鋼牙に声を掛けたのは、書斎から出て後ろ手にドアを閉めようとするところだった。

『おやすみ…』

鋼牙はドアを閉めかけていた手を止め、ちらりと振り返った鋼牙が

「ああ、おやすみ…」

と返事をして、書斎は闇に包まれた。
その真っ暗な中で、

『くっくっく…』

というザルバの笑いが響いていた。




fin
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あぁ、風呂上がりのアイスは最高~♪
それなのに、それなのに… という妄想でした。
(美佳ちゃん、アイスが大好きですもんね。)

まさか鋼牙さんがアイスを食べるとは想像がつきませんが、あの白いコートを夏場も着てるんですから、魔戒騎士と言えども、やっぱ暑いですよね!?

でも、公式様では、夏でも涼し気に着こなしています。
ひょっとしたら、魔界に通じているというコートの中は、鍾乳洞のように年中温度が一定なのでしょうか?
そうだったら、涼しくていいな~
selfish にも貸してくれないかな~ (ううう、暑い…)

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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