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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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オトコノコ談義(3)

翼は以外にも「露出」には鈍感なのかもしれないな、というのが前回の妄想でしたが、いよいよ鋼牙さんの番です。
みなさんは、鋼牙はどんなのが好きだと思いますか?
それでは、「オトコノコ」の会話を覗いてみましょうか…


拍手[6回]



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

鋼牙の返事をニヤニヤ笑いながら待つ零に、興味津々とばかりにやや前のめりになっているレオ。
一見、自分には関係ないというように酒を口にして素知らぬ態度を装いつつも、耳はダンボの翼。
三者三様の様相でありながらその興味を一身に集めた鋼牙は、

「俺の好みなど聞いてどうするんだ?」

と内心あきれていることを包み隠さず態度で示しながら零を見やった。

「どうって… いや、まあ、別にどうするってこともないんだけどさ、その、なんて言うの? ああ、鋼牙はそういうのが好きなんだなぁって思うっていうか…」

なぁ? と零はレオに助けを求めるように振り返る。
すると、いきなりこっちに話を振られたレオはぐっと身を引いて両手を前に突き出して首を横に振る。

「えっ、そんな…」

とか何とか言いながら、鋼牙の視線を避けるようにしながら、無理ですよ、というふうに零に目で合図する。
一方の零も、そんなこというなよ、頼むから、と顔の前で両手を合わせて、親指でくいっ、くいっと鋼牙のほうを指し示す。
それに対して、弱ったなぁという表情を浮かべつつレオは口を開く。

「あ、あのですねぇ。大した意味はないんです。
 お酒を飲みながら仕事の話とか小難しいことを話すのもどうかってことでぇ、何ていうかぁ… ねぇ、零さん?」

「ブッ…」

レオに押し付けたと安心してグラスを傾けていた零が、思ったよりずっと早めに戻ってきたので危うくホワイト・ルシアンを吹き出しそうになる。
それを何とかギリギリ喉に流し込み、ゲホッゴホッと咳き込んだ。
レオも慌てて零の背中をさするが、咳が落ち着いたところでジロッとレオを睨んでから鋼牙に顔を向ける。

「とにかく! 酒の席での気安いトークを楽しめばいいだろ?
 話題なんて別になんでもいいんだよ。ベビードールじゃなくてもなんでもなっ!」

零はやや早口になりながら、どうにか勢いだけでこの場を乗り切ろうという作戦に出たらしい。
そして、勢いづいたそのままの調子で、

「でも、俺は聞きたいんだよぉ!
 おまえはいったいどんなのが好きなんだっ!」

と言い放った。
レオと翼は零の悪びれない物言いに、

(おおおおっ)

と心の中で感嘆の声を上げ、音が出ないように遠慮がちに拍手をした。
さすがの鋼牙も零の勢いに身を引いてたじろいだが、鼻息も荒くこちらを睨(にら)むようにして答えを待つ零に、大きく深いため息をつくと

「仮に、俺がこういうのが好きだ、と言ったら、おまえはどうするんだ?」

と言った。

「へっ? どうするって…
 へぇ、鋼牙はそういうのが好きなんだぁ、って思うだけかな?」

「ふうん、思う ’だけ’ なのか?」

鋼牙に追及されるように問われて、改めて零は考えてみた。

(例えば、「赤いのが好きだ」と言われたら…)

脳内でシミュレーションしてみると、零は自然と赤いベビードールを…
すると、零の思考を中断するように強めの声で

「零」

と鋼牙から声がかかった。

「今、何を想像しようとした?」

幾分低い声で鋼牙が零に尋ねる。

「何って…」

零は自分の想像しようとしていたことを、そのまま口にするのをためらった。
なぞなら、鋼牙が好きだといったベビードールを身に着けたある女性を想像しようとしていたからだ。

「別に? 俺の好みと同じかな、とか、そういうことを考えるんじゃ… ない… か… な?」

まっすぐに零を見つめる鋼牙に、なんとかはぐらかそうとする零。
ふたりの会話を聞きながら、レオもなんとなく予想が付いてほんのり顔を赤らめたのを、鋼牙は見逃さなかった。

「レオ。何も想像するなよ?」

鋼牙は目線だけをちらりと動かして、感情の籠らない声でレオにも思考停止を強要するので、姿勢を正したレオが顔を強張らせながら

「っ! ……はい」

とこくこくとうなずいた。




「チッ、なんだよ。
 結局鋼牙は教えてくんねぇのかよぉ」

不満そうに唇を尖らせた零のボヤキに、鋼牙は素知らぬ顔で何も言わない。

「まあ、鋼牙の気持ちもわかるがな。
 自分の大事な女を、おまえらに好きなように想像されるのはかなわないというのも…」

翼がそう言うのに対して、レオは

「おまえらって! 翼さん、僕は何も想像なんかしてません!」

とやや慌て気味に突っ込む。

「おいおい、自分は違うって言いたいのかよ。
 いや、俺だって違うわっ」

零も負けずにそう申し開きするが、本当に? と翼とレオの両名から疑わしい目で見られると、気まずそうに目をそらした。
そうして、なんとなくその場の空気に居心地の悪さを感じつつ、各々(おのおの)がグラスを傾けていたが、その空気を破ったのは鋼牙だった。

「結局のところ…」

呟くようにそう言った鋼牙に、手が止まり視線が集まる。

「’ソノ気’ になるかならないかは何を着ているか、など関係ないと思うがな」

鋼牙はそれ以上は何も言わなかったので、翼がその後に口を開いた。

「それが誰か、ってことが重要、…ということか?」

すると、レオも大きくうなずく。

「そうですね。確かに…」

鋼牙、翼、レオの間で、これで回答が出たな、という満足感を覚えるに至るが、残念ながら約1名だけ納得していない者がいた。

(あ~あ。でもやっぱ鋼牙はどんなのが好きか聞きたかったぜ…)

胸の内でそう思った零はため息をひとつこぼすのだった。



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


ま、安定の「カオルであればなんでもいい」という鋼牙さんのお答えでした!
とはいえ、きっと鋼牙さんにも「カオルならこんなのを着せたい」という願望はあるのかもしれません。
ほんとは、どんなのが好きなんですか? 鋼牙さん!


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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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