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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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シミがコワイ

まぁねぇ。
シミができるのはしょうがないのよぉ。
毎日、紫外線浴びてるんだしさ。
でも、やっぱり気になりますよねぇぇぇ。


拍手[6回]




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「はぁ… これ、シミかなぁ」

鏡をのぞくカオルがわずかに眉尻を下げた困り顔で独り言をこぼしていた。
カオルが見ているのは左耳の下3センチほどの首筋にある小さな黒いものだ。

そこは普段なら気にも留めない場所なのだが、たまたま風呂上がりに鏡の前でローションを塗っていて、ふと鏡を見たときに目についたのだった。
顔を洗うときや化粧を施すときには無意識のうちに皺やシミなどがないか気をつけていたのだが、首に関してはあまり気にしていなかった。

カオルは、精いっぱい首を伸ばしてなんとか確認しようとするのだが、少し見にくい場所にあるためによく見えない。

「うーん… こうかな?
 …だめ、よく見えない」

ああでもないこうでもないと鏡の前で角度を変えているカオルに、通りかかった鋼牙が廊下から声をかける。

「おい、何しているんだ?」

急に声をかけられたカオルは、ビクッと肩を跳ね上げさせてから

「はぁぁぁ、びっくりした」

と心臓のあたりを抑えて大きく息をついた。
そして、すぐににこやかな表情で

「あ、鋼牙。お風呂、よかったらどうぞ。
 もう空いたよ」

と鋼牙に言った。

「ああ… それはいいんだが。
 何かぶつぶつ言っていたようだが、どうかしたのか?」

そう言いながら、鋼牙はさっとカオルの全身に視線をすべらせて軽くチャックして、ぱっと見でどこもなんともなさそうであることを確認した。

「え、ええ… 大した事じゃないんだけどね…」

歯切れの悪いカオルに、鋼牙は無言で続きを促すものだから、なんでもないと流すわけにもいかないかとカオルは諦めて説明を続けた。

「ここにね、なんだか黒いものがあるから、シミかな、ほくろかな、と気になって見ていたんだけど…
 ちょっとよく見えないのよ」

そう言いながら、シミかもしれないものがある場所を指でこすってみせるのだった。
それを見て、

「見せてみろ」

と言いながら、鋼牙はカオルのほうに近づいて、カオルの手をどかせて彼女の首筋を見た。

「…」

カオルは急に近づいた距離感と、首に触れる鋼牙の指、そして、彼の視線に身体をやや固くしながらじっとした。
が、すぐに沈黙に耐えられずに口を開く。

「ねぇ、どうかな? ほくろ? それともシミに見える?
 シミだったら嫌だな…
 今からでもシミ予防の化粧水とか塗ったら消えるかなぁ?」

すぐ近くにある鋼牙の顔を見ないように明後日の方向を見つめるカオル。
すると、すっと鋼牙の顔が離れたので、少しほっとした。

「安心しろ。これはほくろだ」

鋼牙の言葉に、カオルはさらにほっとした。

「ほんと? よかったぁぁぁ」

にっこり笑って首筋を撫でているカオルに、鋼牙は言う。

「それはずっと前からあったものだ。何度もそこに… あ、いや、なんでもない」

急に動揺の色を見せて口をつぐんだ鋼牙に、カオルは戸惑う。
困惑しつつも鋼牙の顔を覗き込むと、鋼牙の目が泳いでいる。
それが気になり、つい、

「ん? なに? どうしたの?」

とカオルは鋼牙に問いかけたので、鋼牙は観念して言いかけたことをカオルに伝えることにした。
ただし、少々照れ臭いので、カオルを引き寄せ、彼女の耳元でこっそりと。

「俺は何度もそこに唇を押し当てているし、舌を這わせてもいる。
 だから間違いない、と言いたかっただけだ」

それを聞いたカオルは途端に顔をほてらせ、耳を抑えて鋼牙から距離を取ろうとのけぞった。
だが、鋼牙はそれを許さなかった。
彼女の腰に回していた腕には一層力が籠(こも)り、反対の手は彼女の後頭部をしっかりと抱えていた。

カオルが遠慮がちに見上げた鋼牙の顔には、はっきりと獰猛な欲求の色が浮かんでいて、それは身体が震えるほど美しかった。

「あ… 鋼牙…」

急速に喉の渇きを覚えて、思わずごくりと唾を飲み、やっと出した声は掠れていた。

「…来い」

鋼牙に腕を引かれたカオルは、抵抗する余地もなく、連れられて行くままについていく。
そのまま鋼牙の私室のドアの前まで連れてこられたカオルは、そこで足を止めて振り返った鋼牙を見上げる。

「気になっているようだから見てやるよ。
 おまえの全身隈なく変わりないかを、な」

思わずカオルは大きく目を見開くが、思考につながる前に、鋼牙はドアを開けてさっさと足を進めて中に入った。
もちろん、カオルも腕を引かれてドアの向こうへと消えていった。




ドアの向こうで何があったかって?
それはもうあなたのご想像どおり…

カオルの身体のどこもかしこも、表も裏も、あんなとこやこんなとこも、鋼牙の五感すべてを総動員して、それはもう丹念に丹念に、執拗なほど丁寧に鋼牙のチェックが入ったのだった。

その結果は、って?
そりゃあ、もちろん…

「どこも変わりはなかったな。
 …まあ強いて言うなら、以前より感じやすくなったこと。
 あとは、そうだな、スタミナがなくなったかな…」

気を失うように眠ってしまったカオルを抱き寄せて、愛おし気にカオルの髪を梳(す)きながらそう言う鋼牙は、それはもうこのうえもなく満足げだった。



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


はい! シミの話から、ちょ~~~っと色っぽい展開の妄想でした!

鋼牙さんチェックがどれだけ執拗だったのかは、これはもう、みなさんの妄想力にお任せしますわン♡
きゃ~っ、鋼牙さんのエッチぃ~♡

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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