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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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おにいちゃんってさぁ(3)

おにいちゃんってさぁ、北崎に似てない?
…って、零くんなら、きっとどこかで誰かに言われてるんじゃないかなぁ…

というわけで、今宵の妄想です。どうぞ!

拍手[4回]



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

(…北崎?)

その名前に零は心当たりがない。
誰だそれ、と思い首をかしげていたが、それはどうやら父親の方も同じようで、ゆうすけに質問を投げ返す。

「北崎?
 北崎ってのは、誰のことだい?」

のんきな調子で聞き返す父親に、ゆうすけは焦れたように握りこぶしを振りながらどんどんと足踏みして訴える。

「北崎って言ったら北崎だよっ! 555に出てたでしょ! ラッキークローバーのっ!」

そう言われて、父親はわかったのか、ああと表情を明るくしてから、零を振り返った。
そして、頭の先から足の先までさっと視線を走らせて、再び顔に戻ってしげしげと見てきたので、多少遠慮がちにではあったが顔は結構ジロジロと見られて、さすがに零もちょっと顔を引いて眉を潜(ひそ)ませた。
それに気づいた父親は、慌てて

「ああっ、すいません!」

と視線を外して軽く頭を下げた。

「自分がすごく覆面ライダーが好きなんですけど、この子もそれに影響されちゃって大のライダー好きになっちゃって。
 で、とある覆面ライダーに出てくる登場人物にあなたが似ているって、この子は言ってるんです」

それを聞いて、零は、へえ、と答えるが、ゆうすけの様子が気になって、

「ちなみに、それって正義の味方のほうってわけでは…」

と探りを入れるも、

「…ない、ですねぇ」

と父親に申し訳なさそうに言われてガックリとうなだれた。
そんな零に、

「あ、いや、でも、その北崎ってやつはすっっっごく強いんですよっ!
 見た目はかわいい感じの美少年なのに、そいつに触れたらみんな灰になっちゃってっ!」

と父親はフォローを入れるが、果たしてそれがフォローになっているのかどうなのか微妙なところだ。
なので、

「はあ… そうなんだ…」

と受け入れるしかなくて、なんとも情けない中途半端な笑顔になる零。

「そんなに似てます? その北崎ってやつに…」

父親はもう一度零の顔をよく見てから、まあ…、と言いにくそうに言った。

「北崎は少年なんだけど、彼を成長させて男っぽくワイルドさを加えたらこうなるだろうな、ってくらいには似てますねぇ。
 お兄さん、かっこいいし、小さい頃はかわいかったんだろうな、って思うし…」

そう言って、父親はうんうんとうなずいた。
そして、ハッとしてからゆうすけを見下ろした。

「ゆうすけ。 北崎はさ、とっくの昔に死んじゃったじゃないか?
 だから、このお兄さんは北崎じゃないよ!」

そう言うと父親は、ちょっとだけすいません、と小声で零に断りを入れてから、そっと零の腕に触れて見せて

「ほらね?
 北崎じゃないから、触ってもパパは灰にならないでしょ?」

と安心させるように笑って見せた。
そんなふうに言われて、ゆうすけもようやく父親の陰からおどおどと顔を出して零を見上げた。
そして、

「…北崎じゃないの?」

と小さな声で聞いてきた。
零はゆうすけを怖がらせないように近づかないまま、その場でしゃがんで笑顔を見せて

「ああ、俺は北崎ってやつじゃないな」

と言ってやった。
すると、ゆうすけにほんの少し笑顔がこぼれたので、

「ゆうすけ。お兄さんにちゃんと間違えてごめんって言って、お礼を言おうか?」

と父親が促した。
ゆうすけは、うん、と父親に頷いて見せてから、零に向かって

「間違えちゃってごめんなさい。
 えっと、それから… ありがとう!」

と言ったのだった。
まだほんの少し表情は硬かったけど、ゆうすけの子どもらしい素直な言葉に、零は首を横に振ってみせてから

「どういたしまして。
 もう勝手にひとりでどこにでも行っちゃいけないよ?」

と言った。

「うん!」

ゆうすけは大きな声で返事して、一瞬にっこりと笑ったのだが、すぐに恥ずかしくなったのか父親の足に飛びつくように抱き着いて顔を隠した。
その様子を見守ってから、零は、えいっと反動をつけるようにして立ち上がった。

「それじゃあ、俺はこれで…
 きっと、お母さんや弟くんたちも心配しているだろうから、早く行ってあげてください」

「ああ、そうだった! そうですね。じゃあ…
 ゆうすけがいろいろお世話になってすいませんでした。ほんとうにありがとう」

「それじゃあ…」

零は父親に軽く目礼すると、目線を下げて

「バイバイ、ゆうすけ!」

と言ってから、踵(きびす)を返した。
何歩か歩くと、零の背中に

「バイバイ!」

とゆうすけの声がかかった。
零は片手をひょいとあげてフルフルと振り返し、後ろは振り返らずにそのままその場を後にした。





零はバイクにまたがり、ヘルメットを被った。

『ねえ、ゼロ?』

「ん? なんだい?」

『前にも似ているって言われたことなかったかしら、その… 北崎って人物に…』

「そうだっけ?」

答えながら、零は顎紐を締めた。
そして、目線を少し上に上げて、思い出すような仕草をして、

「う~ん、でも、そういうのよくあるんじゃない?

 カオルちゃんも言われたことがあるって言ってたよ。
 えっとなんだっけ… アンデッドだっけ? ライダーじゃなくて悪者のほうの…

 翼もライダーに間違えられたって言ってたし、邪美だってウルトラの副隊長に似てるんだってさ!
 シグトやユナも戦隊モノのグリーンとかイエローとかに似てるっていうしさぁ…」

と指を折りながら零が知っている「間違えられた情報」を数え上げる。
それだけでもかなりの数だったが、零の知らないところではまだまだあった。


1期の「水槽」でお魚さんに一生懸命若い女性の身体を与え続けていた戸沼は、戦隊モノのレッドに似ていると言われたことがある。
(ウルトラのアニメのセブンのモーションキャプチャしている人にもそっくりなのだが、さすがにこれは指摘されたことはないようだ)

1期の第5話「月光」の刑事さんは、ライダーの弁護士に間違えられ、この弁護士のボディガードに間違えられたことがあるのは、DRAGON BLOODのエデルだ。

2期の第6話「手紙」の戦場カメラマンは、ライダーにもウルトラにも間違えられていて、大河に至っては、ウルトラの司令官やら、ライダーやら、果てには某怪獣映画の防衛海軍中佐にまで間違えられていたのはここだけの話だ。




話を元に戻そう。

「まあ、世の中には自分とよく似た顔が3人いるっていうしさ、俺と似てる人だっていてもおかしくないんじゃない?
 その北崎ってやつ? まあ、悪者らしいからそこんとこはちょっと引っかかるけどさ。
 つまりは俳優が演じてるんだろ?
 ってことはさ、俺って俳優に似てるくらいイケてるってことになんない?」

そう言って零は、あはは、と笑った。

「まあ、いくら似てるって言っても、俺は俺だしさ!
 鈴邑零であって、銀牙騎士 絶狼だよ。
 これまでも、そんでもって、これからもずっと…

 ってことで、シルヴァ?」

『なあに?』

「これからもよろしく頼むぜ?」

『もちろんよ。任せて、ゼロ』

グローブを嵌めて、ヘルメットのシールドを下ろした零の口元がにやりと笑う。
そして、ドルルンと腹に響く音をあげてバイクが動き出す。



彼は鈴邑零。
今日もどこかで甘いものに舌鼓を打ち、笑顔を振りまいているかもしれない。

だが、彼は闇に紛れてホラーを狩り続ける魔界騎士でもある。
冷たく青白く輝く鎧を身に着け、人知れず双剣を閃(ひらめ)かせて邪悪なホラーと闘っていることだろう。



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


あの人がこの作品に!
という情報を、みなさんもご存じでしょうが、妄想の中に出てきた作品について、「ああ、あれね!」と思い当たりましたでしょうか?

selfish は最近、アニメのウルトラマンの存在を知りまして、セブンのモーションキャプチャーをアノ笠原紳司さんがしていたということを知り、びっくりしました。
(「ものすごく動きがかっこいいから、ぜひ探して見てみてほしいです!
 あと、声もすごくかっこいいの!)

そんなところから、こんな妄想が出来上がった次第です。はい。

ああ、そういえば、もうひとつびっくりしたことが!
(あの方がいつのまにか出産していた、とか…)
それもいつか、何かの妄想に繋がるかもしれませんねぇ。
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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